法規

建築士試験での確認の特例は深いなぁ~(1)

断面二次モーメント

一級建築士試験受験の方からこんな質問がありました

※質問は、顔見知りな人だけ答えてます…っと言うか一緒に考えているので、会話をしながら「あーだこーだ」言える人のみとなりますので、よほどでない限り、ご対応が難しいのでサイトでのお問い合わせによるご質問はご了承くださいませ。

記事の中での「ここ間違ってるのでは?」みたいなお問い合わせは、大歓迎ですっ♪。

二級建築士試験受験の方も、読んでおくといい内容です♪

SAKU
サク

今回の質問の問題は、二級建築士でも出題されてもおかしくない内容だからね。

※本試験で類似問題が出題されたかどうかまでは把握していないですが、規模の小さい一戸建ての住宅の問題なので、読んでおくといいですね。

質問の内容は?

一級建築士試験平成21年度からの出題です。

(木造の一戸建ての住宅に関する問題です)

建築士の設計に係る延べ面積120㎡、地上2階建ての住宅で、建築確認の特例により、建築基準法令の規定の一部が審査から除外される場合であっても、当該規定は順守しなければならない。

正解はマル

正しい枝文でした。つまりは…。

いくら確認申請の審査が除外されていようと、建築士は適当に設計したらダメだよっ!
って事なので、「そりゃそうだよねっ。」っともなって正しい枝だと答えれるちゃあ答えれるのかもですが…この問題は深いっです!
…今回の内容は、長い旅になりそうな…そんな気がしています。

覚えておく要点

まず問題の中の建物は確認申請での確認済証がいるのかどうか?

まずは、ここから調べてみましょう!

ただね、この問題はそこまで問われていませんっ!

「建築基準法令の規定の一部が審査から除外される場合であっても」っとなっているので、確認済証の交付が必要だったと言う前提で問題が作られています。(←ここ大切です。)

確認済証の交付が必要な場合

サク
サク

必要だったという事は?

SAKURA
サクラ

建築基準法第6条第1項第一号の特殊建築物でもないし…。

SAKURA
サクラ

同じく第二号の構造体の規模でも該当しないし…。

SAKURA
サクラ

…っと言う事は、第四号ねっ♪

SAKU
サク

正解っ!

そうなんですよねっ!この建築物は、「都市計画区域か準都市計画区域建築する建築物」っということだとなり、通称「第四号建築物」とか、個人的には、「ドラえもん」…いやいや「四号もん」って言ってます(苦笑)。

関連記事も合わせてここで読んでおくといいですね。(知識が繋がりますっ♪。)

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そんなに大きな建築物でもないけど、確認済証がいるのはなぜ?

だって、都市計画区域(又は準都市計画区域)なんだもん~っ!

どうして?

それは、都市を計画している地域だから。

町づくりをちゃんとしていきたい地域だから。

集団で生活をしている地域だから。

っという事は、「集団規定」は確認申請の時にちゃんとチェックをしたいからです。

こんなイメージでいいかしら?

集団規定って何?

「集団規定」とは、建築基準法第3章のことです。

別に建築基準法上で、用語の定義をされている訳ではないですが、この言葉を覚えておくといいですよ。

建築基準法第3章の最初の条文を見てみましょう!

(参考までにオレンジ色の法令集だったらP59です。)

「第41条の2」…適用区域が定められています。短い条文ですが、とても重要な条文です。

この章(第8節を除く。)の規定は、都市計画区域及び準都市計画区域内に限り、適用する。

除外の第8節まで書きたくなっている自分がいてるけど、そこまで書いたら向かっている先が遠くなるので、書きたい衝動は抑えて説明します(笑)。

一級建築士の出題では、第14問目から第19問目あたりに出題される範囲ですね。

建築主事等の気持ちになってみると…。

確認申請が申請されると、期間内に審査をして「確認済証」を交付しなければならないですね。

実際に自分が申請する時も、きちんとチェックしていただいて「ここが違うよ。」「あそこも違うよ。」「あっ…ここも…。」ってな感じで…ホンマすみませんっ(汗っ)。

あと、協議したり、検査したり…。いっぱいいっぱい仕事があります。

なので…。

「ある程度の規模の建築物は、まちづくりの部分はこっちでしっかりチェックして、何かあったら協議するけど、単体規定の一部は建築士さんの責任でちゃんとやってね」

と言う感じの気持ちになっているかどうかは本当のところは知らないですが…。

確認の特例があります

小さい建築物まで他の建築物と同じように審査すると大変ですよね。また、今回の問題には関係ないですが、例えばハウスメーカーさんの住宅のように、一部認定を取っているような部分は審査のしようがないですもんね。

なので、「建築士にお任せ」っと言う部分が出てきます。

これが、確認の特例です。

こちらは、建築基準法第6条の4「建築物の建築に関する確認の特例」にて定められています。

けれど、この条文を説明すると長くなってしまいます。まだまだ書きたいことがありますが、今回はこの辺で。

まとめ

いくら確認申請の審査が除外されていようと、建築士は適当に設計したらダメだよっ!

ふんわり読んでいると、こんな感じで理解していると特に難しさは感じないのですが、突き詰めていくと本当に深い問題だなぁ~っと思っています。

一級建築士試験の勉強のコツは、「質」の勉強も必要だと思っています。

もう少し、この問題についてお付き合いいただけるとありがたいです。

おまけ

確認の特例を受ける建築物と受けない建築物とでは、審査のボリュームが違いますよね。

ですので、審査期間も短くなったり、添付書類が省略出来たり、そして審査手数料も確認の特例を受ける建築物「四号もん」は安くなったりします。