法規

10㎡の建築物には惑わされないで

建築工事届

二級建築士試験受験の方からこんな質問がありました

※質問は、顔見知りな人だけ答えてます…っと言うか一緒に考えているので、会話をしながら「あーだこーだ」言える人のみとなりますので、よほどでない限り、ご対応が難しいのでサイトでのお問い合わせによるご質問はご了承くださいませ。

記事の中での「ここ間違ってるのでは?」みたいなお問い合わせは、大歓迎ですっ♪。

追い込みの時期だからよく質問されますねぇ~。

質問内容は?

まずは、質問の問題から

二級建築士試験平成27年度からの出題です。

建築主は、防火地域内においては、床面積の合計が10㎡以内の建築物を建築しようとする場合においては、原則として、建築主事を経由して、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

 

サク
サク
建築基準法第15条により10㎡を超えるものが必要になるから、この枝は誤りの枝だよ。

質問内容は?

特に疑問を持たなかった方も多いとは思いますが、質問内容は「防火地域内って書いてあるから10㎡以内でもいるんではないの?」っと言うものでした。

なるほどねぇ~。

きっと「何が必要なのか?」が、ごちゃごちゃになってたんだねっ。

それは…。

確認済証の交付は必要だけど(法6条第1項)、建築工事届は必要ないよ(法第15条)っと答えました。

確かに、ややこしかったかも知れませんね。

っという事で、「10㎡の建築物の取り扱い」を記事にしてみますね。

覚えておく要点

建築基準法第6条第1項第四号

法6条第1項のめちゃめちゃ最後にこんな一文が書いてます。

「第四号に掲げる建築物を建築しようとする場合も、同様とする。」と。

四号の内容はこんな感じです。

「都市計画や準都市計画に建築するものは確認済証は必要だよ」っと書かれています。

但し、その後の2項に続きが書いています。

防火地域外準防火地域外において、増築・改築・移転は10㎡以内だったら確認済証は不要だよ」と。

この2項での読み取りポイントは2つです。

法6条第2項の読み取りポイント

ひとつめ:防火地域や準防火地域は、都市計画で定められる地域

そもそも防火地域等は、都市計画法第8条第1項第八号で定められています。すなわち、都市計画区域内ありきの防火地域等となります。

(参考までにオレンジ色の法令集だったらP885です。)

ふたつめ:第2項には新築が入っていない

そもそも「建築」とは?→法第2条第1項第十三号で定義されています。

「建築とは、①新築、②増築、③改築、④移転することをいう。」っとなっていて、第2項には「②増築、③改築、④移転」っとなっていて、新築に関しては10㎡以内でも確認済証は必要となります。

実際に問題を解いてみましょう

一級建築士試験平成25年度からの出題です。

二級建築士試験を受験の方もぜひチャレンジしてみてください。

(問題)都市計画区域内における次の行為のうち、建築基準法上、確認済証の交付を受ける必要がないものはどれか。ただし、防火地域、準防火地域又は建築等に関する確認済証の交付を受ける必要がない区域の指定はないものとする。

(1)鉄骨造、延べ面積10㎡、高さ6m、平家建ての倉庫の新築

(2)…っと続いていきますが省略します。

「こちらは確認済証の交付を受ける必要がある」となりますね。

では、次の条文です。

建築基準法第15条

内容

  1. 建築主が建築しようとする場合→建築届
  2. 工事を施工する者が除却しようとする場合→除却届
サク
サク
10㎡を越えたらそれぞれ必要なので、ちゃんと法令集にセットアップしておきましょうね♪
サクラ
サクラ
誰に出したらいいの?
サク
サク
建築主事を経由して、都道府県知事だよ。

何のために届け出るのか?

これらの建築届や除却届は、「建築物態統計調査」で、建築物着工統計調査や住宅着工統計調査を行うためのものなんです。

これらの内容については、規則8条に定められています。

(参考までにオレンジ色の法令集だったらP530です。)

まとめ

特に建築基準法15条の内容は、一級建築士も二級建築士の「施工」出題されていますので、誰が何のときに誰に出すのか?そして10㎡以内は不要だという事を、結局のところ覚えておかないといけないんだけどねっ。