法規

「法27条を読み解くために」第一号から第四号について

法第27条9

建築基準法第27条第一号から第四号について

この第27条についての記事もかれこれ9記事目。

この記事から読んだ人は、最初から読んでねぇ~っとは言いません。

一応、最初の記事☞特定避難時間倒壊等防止建築物って何?と思うのはまだ早いです。

結論から知りたい人は、前回の記事の最後の方のまとめを読めば十分です。

一応、まとめ記事☞【法27条を読み解くために】法27条第1項のまとめ

建築士の試験においては、特定避難時間による国土交通大臣の認定は、受けないって問題に書いてあったら、さらにまとめなんて2行で済んじゃうんです。

そのまとめをもう一度こちらに書きますっ!・・・だってたった2行なんだもんっ(笑)。

【法27条】の建築物は・・・(試験において、たいていは・・・。)

  1. 耐火建築物
  2. 準耐火建築物

この種類で考えていけばいいんです。

※注意:なのでここから先の法27条については、「耐火建築物」と「準耐火建築物」の2種類で考えていきますので、今までの記事を踏まえながらご理解をお願いします。

で、ここからがまた大切なポイントを順に書いていきますね。

第一号から第四号までの建築物は?

この第一号から第四号までに書かれている建築物は、基本は「耐火建築物」っと認識ください!

あとから、準耐火建築物でもいいものが出現してきますので・・・。

第一号から第四号までに定められている建築物は「耐火建築物」

サク
サク
この事だけは、いつも頭に入れながら読みすすめてくださいね。

法27条第

一 別表第1(ろ)欄に掲げる階を同表(い)欄(1)項から(4)項までに掲げる用途に供するもの

はいっ、やっと出ました!。

法規の試験で言えば、かなりの主役級の「別表1」

この別表1については、主役級なだけあって勉強していけば行くほど、インデックスはボロボロになっていきます(笑)。

ぜひ、インデックスが首の皮一枚状態になる前に補強して大切にしてあげてくださいね。

で、一号に定められている(ろ)欄に掲げる階を(い)欄の(1)から(4)までって言っているんだから、少し色をつけてみると・・・。

別表1

↑この部分の事を指しているんですね。

って事で、第一号そんなに難しくはなかったのですが、さっ、問題は次だなっ次っ!。

気合い入れて書こうっと!。

喜ぶ



法27条第

二 別表第1(い)欄(1)項から(4)項までに掲げる用途に供するもので、その用途に供する部分(同表(1)項の場合にあっては客席、同表(2)項及び(4)項の場合にあっては2階の部分に限り、かつ、病院及び診療所についてはその部分に患者の収容施設がある場合に限る。)の床面積の合計が同表(は)欄の当該各項に該当するもの

また、少し該当するところを色をつけてみますね。

別表1(二号)

ここですね、ここっ♪。

でもっ!。

ここが、第一号から第四号までの中で少しややこしいところです。ジャンプできるようにセットアップしててもいいかも知れませんね。

第二号→平27告示第255第1第一号(P1411)

↑この関係性です↑

どんなことが書いてあるか書いてみますね。

一 法第27条第1項第二号に該当する建築物(同項各号[同項第二号にあっては、法別表第1(1)項に係る部分に限る。]に該当するものを除く。)準耐火構造又は令第109条の3各号に掲げる基準に適合する構造とすること。

ここで、「準耐火構造」又は「令第109条の3各号に掲げる基準に適合する構造」とすることって書いてあります。

もう少しわかりやすく構造をまとめると・・・。

  1. 準耐火構造
  2. 外壁耐火の準耐火構造
  3. 不燃材料の準耐火構造

まっ、要は「準耐火構造」って事ですね。

問題は次よ、次っ。

この部分は、準耐火構造にできるって言うか告示でなっちゃうんだけど、だけど除かれているものが、ひとつあるんですよねぇ~。

それが、法別表第1(1)項のこと。(上記の水色の部分ねっ。)

という事で、まとめるとこんな感じに変わっちゃうってこと。

別表1(二号)2

※「耐火」とか「準耐火」の文字は、試験を受ける方は書き込んではダメですよ~(次の記事で一緒にセットアップしましょうね。)

なんか、まどろっこしい表現をしているけど、(1)だけは耐火構造で(2)から(4)は、準耐火構造っていうこと。

と、ひとまず整理がついたところで次っ。

法27条第

三 別表第1(い)欄(4)項に掲げる用途に供するもので、その用途に供する部分の床面積の合計が3,000㎡以上のもの

こちらも色分けするとここですね。

この用途に供するもので、床面積の合計が3,000㎡以上のものについては「耐火建築物」ということですね。

法第27条第

四 劇場、映画館又は演芸場の用途に供するもので、主階が1階にないもの

3階以上の階になると必然的に第一号で「耐火建築物」になるし、主階が1階にないものって・・・。

結局、2階建てのことじゃんっ!。

どうしてこんな条文を定めているか・・・。

2階建ての建物で、劇場や映画館や演芸場が2階にあったら、いざ火事になったら1階にあるよりも避難が困難になってパニック度が増すから「耐火建築物」にしようねっという事。

一旦、ここで第一号から第四号までを簡単にまとめたのですが、さっきチラっとのぞいた「告示」にも、大事な事が書かれていますので、それらをチェックしてみましょう。

では、今度は告示の方を見ながら2つほど追加したい建築物があります。

平27告示第255第

めっちゃ長い~!。

ここに書くのがめんどくさいので(笑)、その中からポイントとなるキーワードを書きますね。

  1. 階数は・・・「3階」
  2. 用途は・・・「下宿、共同住宅、寄宿舎」
  3. 構造は・・・「1時間準耐火」

どうぞ、この3つのキーワードを第二号から探し出してみてください。

そして、グリグリと目立つようにセットアップをしておいてくださいね。

これが、通称「木三共」と言われている建築物です。

別表1を見ると法27条第一号の「3階以上の共同住宅等」は「耐火建築物」となるのですが、この条件が揃うと準耐火建築物・・・つまり木造にも出来るよってこと。

ここで、「んっ?木造って耐火建築物には出来ないの?」・・・っと思っている方は、次の記事で補足しますんで、今はとりあえずこの4つのキーワードが揃えば「木三共」と言われているものになるっとイメージしてください。

この「木三共」は昔っから存在していた建築物で、平成27年の法改正でマイナーチェンジしたものです。



平27告示第255第

こちらが、平成27年度でフルモデルチェンジをした、通称「木三学」

実際に建築物に火災を起こして実験したんですって(実大火災実験)。

しかも回もっ!。

こちらの国土技術政策総合研究所(国総研)のサイトでは、その実験の資料や火災実験の動画も公開しています。

参考サイト☞国土技術政策総合研究所(国総研)のサイトはこちら

最初の1回目の実験は、どのように燃えていくかを検証しているので、炎が上へ上へと燃え移っていく様子や、また建物が倒壊していく様子が動画で見ることができます。

改めて、以前の記事で書いた「非損傷性」「遮熱性」「遮炎性」の大切さが実感できます。

関連記事☞【法27条を読み解くために】建築基準法における火災を勉強しましょう

話しが少し遠回りしましたが、こちらも条文の中でのポイントとなるキーワード。

  1. 階数は・・・「3階」
  2. 用途は・・・「別表(1)欄(3)項」(※つまり学校系)
  3. 構造は・・・「1時間準耐火」

さぁ、いよいよ次が最後の記事となります

今回は、ダダダ~!っと法27条の第1項を書きました。

ポイントは、耐火建築物は第1項に書いてあって、準耐火建築物でもいいのがちょこちょこあるということ。

そして、火災は上へ上へと昇っていく・・・このイメージって「環境の煙突効果」とか「防災計画」とかにも役に立ちますもんね。

関連記事☞一級建築士試験における2つの煙突効果

さぁ、いよいよ最後は「いつなる流」の別表1の本当の(!?)まとめをしたいと思います。