奈良時代の薬師寺東塔に行ってきた
先日、奈良県の薬師寺に行ってきました。
730年の奈良時代に建設された薬師寺で、「塔って2つあったらかっこいいんじゃない~♪」って事で、本堂の両サイドに2つの塔を建てた・・・らしいです。
しかしなんだかんだの戦国時代やらの火災等の災害に見舞われ、「薬師寺東塔」だけが残ったんです。
なので、現在では建築してから約13o0年経っている薬師寺の「東塔」は今では世界遺産に登録されているんです。
その「東塔」を何年もかけて研究して、昭和の時代に復元したのが「西塔」ってことで、現在の私たちは2つの立派な薬師寺の塔が見られているということなんですね。
さっ、もう少し詳しく書く前に問題を1問っ。
目次
二級建築士試験の平成26年度の問題より
薬師寺東塔(奈良県)は、本瓦葺きの五重塔であり、各重に裳階が付いた建築物である。
裳階(もこし)って何?
裳階とは、腰巻・・・つまりスカートのようなもので、外壁の風雨をしのぐもので、屋根の下についています。
実は…ずっと屋根の上に裳階を付けているんだと勘違いしていました(笑)。
要は、窓の上に付けている立派な庇のようなものが「裳階」(もこし)。
もこしにつけたきびだんご~♪。
あっ、あれは「おこし」かぁ~(笑)。
いつも裳階と聞くと、脳内にはこんなメロディーが・・・これから「もこし」と聞くとアナタも頭に浮かんできてくれるとナ・カ・マ・・・ですねっ(笑)。
もひとつオマケに伽藍(がらん)も特徴です
薬師寺に行くと「法話」っと言って、色々なお坊さんがお話をしてくれるんです。
薬師寺と言うのは、檀家さんを持たないので、葬式もしない。
どうやって、こんな再建費用を集めたかと言うと、今で言う「クラウドファンディング」的な感じですねっ。
プロデュース力が本当にすごいと感心してしまいました。
「法話」をして、薬師寺の事を理解してもらい、写経をお金と一緒に納めてもらう一連の流れが「法話」と言うプレゼン力をどのお坊さんもレベルが高いんです。
いやぁ~、法話の内容もさることながら、しゃべり方、しぐさ、表情・・・色々と聞き入って「薬師寺ワールド」に入りこんでしまいました。
昔は、上の写真のように立派な塀で囲んでいて、檀家さんも持たないし誰もかれもがこの薬師寺の敷地内に入れなかったそうです。
この塀を「伽藍」(がらん)っと言って、だれもいない部屋の事を「がらんどうやなぁ~!」っとか言ったりするように「がらんどう」の語源になったそうです。
試験には出題されていないですが、薬師寺の特徴のひとつなんでちょっと覚えててもいいかな?。
ただいま、薬師寺東塔は改装中
最初の方にも少し書きましたが、この世界遺産の薬師寺東塔は築約1300年。
人間でいう背骨に当たる部分が骨粗鬆症にもなっているので、今回はその部分も含めてあらゆるところを約7年前から修復工事が入っていて、今回は、この足場とシートに覆われた薬師寺東塔の現場の中を入れることになったので行ってきたんです。
中の写真の方は、残念ながらブログでは掲載できないのですが、約7階くらいまでの高さを登っていき、約1300年前に建てた時以来、この高さの目線で薬師寺を見ることはできないだろうという高さで外の景色も含め、見ることができました。
薬師寺東塔の一番先っぽの飾りは、水煙というんですが何人かの人間の形をしている部分が見ることができました
来年、足場が取れて公開されたら、視力4.0くらいあれば地上からでも確認できるそうです(笑)。
そして、薬師寺東塔は屋根の軒の形状も特徴があります。
すごく複雑な形をしていて、一手先・・・二手先・・・っと重なって、もひとつ重なっている「三手先」が薬師寺東塔の特徴のひとつとなっています。
その複雑な構造に比べて、超シンプルなのが「舟肘木」と言います。
そしたら、この辺で今度は一級建築士の問題を2つ
一級建築士試験の平成14年度の問題より
薬師寺東塔(奈良市)は、三手先の組物を用い、裳階が付いた三重塔である。
一級建築士試験の平成30年度の問題より
組物は斗と肘木との組合せをいい、肘木が壁から外に二段に出ている組物は舟肘木と呼ばれている。
まとめ
薬師寺東塔は、来年に長年かかって修復されて、元気になってまた見ることができます。こんなに法話が面白くためになるお坊さんがたくさんいるのかと感心していました。
特に、お仕事でプレゼンとかされる方はぜひ行ってみると、どのお坊さんも「伝える」ことに長けていて、いいお話しと共に広い意味で勉強になります(本当にっ♪)。
一級建築士では、薬師寺東塔の他に「新薬師寺」からの出題もされていますが、こちらは「NEW薬師寺」と言う意味ではありません。
この辺の話しは、次回の記事へと続きます。