施工

工事請負契約約款(第5条)

請負契約約款5

工事請負契約約款第2条~第4条

初めてここから読む方は、最初から読んでみてね。

請負契約約款1
工事請負契約約款のイメージをしていきましょう-1-請け負うということは・・・。 建築士試験において、「工事請負契約約款」に関する問題は、二級建築士でも一級建築士でもほぼ毎年1問出題され...

工事請負契約約款の登場人物

サクラ
発注者
発注者

マンションを建てようとしている建築主だが、まったく建築のことはわからないので、一級建築士のサクに監理者として任せてることにした。

サク
監理者
監理者

このマンションの設計者ではないですが、何もわからない発注者のサクラに頼まれて、監理者となり責任を持って図面と合っているか実施されているか等を行う一級建築士です。

いつなる工務店
受注者

受注者

今回マンションを建てる受注者となる施工会社。なんにもわからない発注者のサクラだけだと不安しかないけど、監理者のサクがいてるから大丈夫だね(笑)。

こんな感じの3人だけが、しばらく登場しますのでよろしくお願いします。

※民間連合協定の工事請負契約約款に基づいてブログは書き進めていきますのが、約款自体の内容は、記載は致しませんので各自のテキストや問題集でご確認くださいね。

第5条 一括下請負・一括委任の禁止

受注者
受注者
せっかくこちらに頼んでいただいた工事なので、そのままどこかに”まるなげ”することはしないので安心くださいね。

という事で、仕事を右から左へマルっと流したらダメですよっという事。

建設業の関係もあるけど、せっかく発注者が信用して、受注者にお願いしているのにぃ~。

ただしっ!。

発注者
発注者
んっ?、別にいいよぉ~♪。

えっ!?

一括下請負

・・・いいの!?。

いいんです、いいんですぅ~。

発注者の書面により承諾を得た時はいいんです。

ただ、今回の設定はサクラがマンション(共同住宅)を建てたいという依頼。

いくら、発注者のサクラが「いいよぉ~♪」っと言っても・・・。

共同住宅新築する工事のまるなげはダメなんですっ!。

ダメよぉ~ダメダメっ♪・・・ってあったなぁ~(笑)。

ってな事が、工事請負契約約款の第5条の内容です。

さっ、問題でもやってみましょうかぁ~。

一級建築士試験の平成22年度の問題

共同住宅増築工事において、受注者は、あらかじめ発注者の書面による承諾を得た場合であっても、工事の全部若しくはその主たる部分又は他の部分から独立して機能を発揮する工作物の工事を一括して、第三者に請け負わせることはできない。

共同住宅の増築だから、発注者の承諾を得た場合は第三者に請け負わせることができますので、誤りの枝となります。

以上で、工事請負契約約款の5条の内容は終わりなんですが、もう少し「まるなげ」と言う切り口から他の法律での出題を比べてみたいと思います。

あっ、出題科目は「施工」に変わって「法規」の科目となります。

って事は、法令集を見ながらチェックしてみてくださいね。

一級建築士試験の平成27年度の問題より

「建設業法」に基づき、建設工事の元請負人は、請け負った共同住宅の新築工事については、あらかじめ発注者の書面により承諾を得た場合においては、一括して他人に請け負わせることができる。

この「建設業法」第22条1項、3項をみます。

で、3項から建設業法施行令6条の3を読んでみると・・・。

(一括下請負の禁止の対象となる多数の者が利用する施設又は工作物に関する重要な建設工事)

第6条の3 法第22条第3項の政令で定める重要な建設工事は、共同住宅を新築する建設工事とする。

という訳ですので、この問題も誤りの枝となります。

まっ、これは同じような考え方でいいので大丈夫ですね。

では次に、少し似ているような内容ですが、頭を混乱させるために・・・。

・・・いやいやっ、ちゃいますっ。

頭の中を整理するために建築士法第24条の3を少し書きだしてみますね。

建築士法

建築士法第24条の3(2項)について

(再委託の制限)

第24条の3 第2項 建築士事務所の開設者は、委託者の許諾を得た場合においても、委託を受けた設計又は工事監理(いずれも延べ面積が300㎡を超える建築物の新築工事に係るのに限る。)の業務を、それぞれ一括して建築士事務所の開設者に委託してはならない。

この条文の内容なんですが、平成27年に改正になった内容なんです(たぶんっ。)。

改正前は、「共同住宅で階数が3で、かつ、1000以上の新築工事」は再委託がダメだったんですが、現在は「延べ面積が300㎡を超える建築物の新築工事」っとなっているので、ぜひお手元の法令集を見ながら確認してみてくださいね。

で、ちょっと余談っ。

一級建築士の平成27年度の試験では、「ここが変わって新しくなっていますよぉ~」的にな感じでお知らせしたかったんだろうなぁ~。

同じ問題番号の中で出題したらいいのに、それぞれ違う問題番号(H27.22)(H27.28)で分かれて出題されていました。

特に関係法令っていつも思ってしまうんですが・・・。

  1. 改正があったから知っててねぇ~っと言うメッセージ性の強い問題は、正しい枝で出てくることが多い。
  2. でも、改正があったのを知らなかったらヤバいなぁ~っと言う問題は、誤りの枝で出てくることもある。

まっ、もっともらしいこと書いたのですが、結局のところ勉強しなきゃいけないんですけどねっ(苦笑)。

今回のこの辺りの内容の事は、一級建築士を勉強している方は、法規の平成27年度の28番の問題をやってみるといいかもっ。

・・・あれっ、施工のブログなのに最後は法規に変わってしまった・・・。

つづく