前回は東孝光の「塔の家」まで書きました。
☞前回の記事狭小住宅がキーワードの住宅(2)
こうやってインパクトが強めの画像を前回は載せましたが、特に二級建築士受験の方は名前も含めて覚えておきましょうね。
では、次の狭小住宅をご紹介します。
④前川自邸/前川國男
こちらの建築物も戦時統制下で30坪の面積制限があった時代に建てられた木造建築物。
現在は「江戸東京たてもの園」に移築されていて、なんとWEBサイトで360°パノラマビューで見ることができるんです!。
☞こちらからどうぞ前川自邸の360°パノラマビュー
※もしスマホなどで上手く見れない場合は、こちらから前川自邸を探してみてね♪↓。
中までお邪魔できるし、なんとも便利な世の中になったもんです。
この建築物自体での建築士試験での出題は実はないんですが、そうだなぁ~、キーワードとしては・・・。
- 大きな切妻屋根
- 格子窓
- 屋根の両端部分に寝室と書斎
- 中央の居間
- 中2階のギャラリー
- あと中央の吹抜け感もね♪
このキーワードを意識して、せっかくの360°パノラマビューですのでウロウロとチェックしてみてください。
・・・。
・・・。
・・・しっかりと見学できました?。
では、問題を1問チャレンジ♪。
前川自邸についての過去問題にチャレンジ(一級)
平成29年度の一級建築士の問題です。
前川自邸(前川國男)は、都市部の約20㎡の狭小な敷地に、住空間を機能別に積層し構成した住宅である。
・・・会話もこんなもんでいいかなっ(笑)。
この問題をしたかったから、先に「塔の家」の説明を書きたかった訳なんです(笑)。
では、次は・・・。
前川國男さんのお話しを♪。
前川國男さんについて
この方ってフランスに行って、ル・コルビュジェのお弟子さんだったんですねぇ~。
お二人の共通キーワード「モダニズム」。
そして、ル・コルビュジェと言えば「近代建築の5原則」
【近代建築の5原則】
- ピロティ
- 屋上庭園
- 自由な平面
- 水平連続窓
- 自由なファサード
なので、この5原則全てを実現している訳ではないですが、前川自邸もいくつか共通するところが見受けられますね。
そして、前川國男さんの作品は、二級建築士試験でも出題されます。
東京文化会館(1961年)・・・前川國男
なので、個人的には「文化の前川」なんて、何となくリズムがいいのでそう覚えていました。
・・・がっ!。
一級建築士では、違う「文化もん」が出題されています。
京都文化博物館別館(旧日本銀行京都支店)・・・辰野金吾
そして、辰野金吾と言えば、またまた二級建築士に戻って・・・。
日本銀行本店(1896年)・・・辰野金吾
こちらが、設計者の名前が不適当で出題されました。
実際の問題はこちら(平成25年度の二級建築士より)
日本銀行本店(1896年)・・・ジョサイア・コンドル
そして、最後の狭小住宅で紹介したいのがこちら。
⑤住吉の長屋/安藤忠雄
塔の家の10年後に発表された安藤忠雄氏の出世作。
間口が狭く奥行が長い建物なため、日照や通風を真ん中の中庭で補っているというもの。
中庭には屋根がないもんだから、雨の日には傘をさして部屋の移動をしなきゃいけないというとても自然を感じる(!?)ことの出来る住宅です。
今のところ試験的には、二級建築士試験を受験する方は、建物名と設計者の組み合わせが過去に出題されたくらいです。
まとめ
- 戦後やったし、住宅戸数不足やったし資材不足で制限があった。
- なので、狭小住宅が流行った。
- ただ単に敷地が狭小地って言うのもある(塔の家や住吉の長屋)
- 狭小だからと言って南面は大切
- 狭小だから吹抜けで空間の広がりを持たせる
- 狭小住宅って・・・どうして自邸が多いんだろう・・・(謎)
おまけ
今回で「狭小住宅」についての記事は終わりとなります。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
もともと、このテーマで書こうっと思った理由が、約5か月前から手掛けている住宅の改装が、結構こだわっていて、改装前の下屋根部分を吹抜けにして片流れの屋根にしたら、めっちゃ恰好良くて、そんなに狭小住宅でもないんですが、「吹抜けイコール狭小住宅」と言う連想から書いてみることにしたんです。
それだけなんですけどね(笑)。