建物事例

狭小住宅がキーワードの住宅~立体最小限住宅~

狭小住宅1

狭小住宅としての出題傾向と背景

建物事例として、「狭小住宅」は二級建築士・一級建築士のどちらででも出題されます。

なぜ「狭小住宅」を建てるのか?。

理由としては2つ考えられます。

・・・いやっ、そんな堅苦しい言い方せんでも(笑)。

そもそも土地が狭いからしゃあないやん~!

と言う、物理的な理由がひとつめ。

そしてもうひとつは、

戦後でたくさんの住宅戸数が必要だったしぃ~!

戦後

第二次世界大戦は住宅難に見舞われましたからねぇ~。

住宅の供給において、機能的でかつ戸数も取れるように「最小限住宅」が考えられていきました。

以前にも「戦後」がキーワードの記事を2つほど書いていますので、そちらも読んでみてくださいね。

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こんな問題が出題されています

平成15年度の一級建築士の問題で「我が国における独立住宅の形態等に関する用語とその説明の組み合わせ」の問題です。

最小限住宅---第二次世界大戦後、機能主義による合理性の追求の中から住まいを原点から見直し、生活に必要な要素について最小限を追及した住宅のスタイル

正解はマル

・・・で、住まいの見直しがされた訳ですよっ!

①立体最小限住居/池辺陽

戦後の日本って、焼け野原にもなってしまって約国民の4分の1に当たる人たちの住宅も不足している上、資材も不足しているから建築する面積の制限がかけられてた時期もあったようです。

そこで、「工業化」することを前提に15坪の実験住宅の池辺陽の「立体最小限住宅」が注目されたんです。

サクラ
サクラ
15坪ってどのくらい?
サク
サク
畳2枚分が1坪だから、目安として畳30枚くらいの大きさだね。

まずは、「狭小住宅」としての共通のキーワードを覚えていきましょう。

キーワード①:食寝分離と就寝分離

以前の「51C型」の記事にも書きましたが、キーワードは「食寝分離」と「就寝分離」。

この2つは現在の住宅計画の基本ともなっています。

食寝分離→食事室と寝室は別々ってこと。どれだけ小さい家でもこれだけは守りたいですよねぇ~。

就寝分離→ある程度のお年頃になったら両親と子供は別々の方がいいですよねぇ~。

キーワード②:南面(若しくは中庭)

南面は、冬の日当たりや夏の風通しもいいため、居住性がとてもいいです。

キーワード③:吹抜け

「吹抜け」を設けることで「縦の空間」の広がりを可能にしています。

以上、この3つのキーワードを「狭小住宅」のキーワードとして意識しておくといいですよ。

池辺陽の立体最小限住宅の特徴

「工業化」を意識して合理性・機能性を追求して設計された「実験住宅」

池辺氏は、窓にアルミサッシを使ったりしていて、「ハウスメーカー」の思想を持ってた方なんですね。

それに、モデュールの研究もされていた方でしたので、合理性・機能性を追求していくと「デザイン性」のおのずとついてきた住宅だったんだなぁ~っと思われます。

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池辺陽の立体最小限住宅

  • 工業化
  • 実験住宅

過去問題にチャレンジ

「立体最小限住宅」は、二級建築士も一級建築士でも出題されているので、今回はどちらも載せておきますね。

平成26年度の二級建築士の問題

立体最小限住居(1950年、東京都)は、住宅に関する技術・工法の合理主義的発想から吹抜け空間を設けることで、最小限でありながら空間的広がりを持たせた住宅であり、池辺陽が設計した。

サクラ
サクラ
うんっ、これはわかったよ♪。
サク
サク
じゃあ、答えはあとで教えてね。ではもう1問っ!。

平成20年度の一級建築士の問題

立体最小限住居(池辺陽)・・・

工業化住宅の試みとして発表された「15坪住宅」であり、吹抜け空間を設けることで、狭小性の克服を目指した住宅

サクラ
サクラ
これも、わかったよっ♪。
サク
サク
じゃあ、サクラ答えて♪
サクラ
サクラ
どちらの問題も正しい文章でマル〇ねっ!
サク
サク
うんっ、大正解っ!

どちらも正しい枝で出題されたのですが、少し二級建築士問題の方が突っ込んで問い方をしているような気がしますねぇ~(笑)。

まとめ

まず最初に・・・。

  • なぜ狭小住宅を建てなければならなかったかの理由(時代背景)
  • 狭小住宅での共通キーワード

この2つをこの記事の中で抑えておくと、次の記事も読みやすくなるかと思います。

また今回紹介した池辺陽の「立体最小限住居」の特徴

工業化を目指した実験住宅の狭小住宅

この部分を覚えておくといいですね。

次回の予告

今回は池辺陽の「立体最小限住居」をご紹介しました。

15坪の「最小限」となっているのですが・・・この後・・・さらに・・・(ニヤッ)。

二級建築士にやり

どうぞ、引き続き読んでくださいね。

(年明けになってしまいますが・・・。)