構造

構造において自走式駐車場について

自走式駐車場

一級建築士試験の構造で出題されました

今回のテーマは、「自走式の駐車場」について。

車をよく乗る人は、イメージつきやすいかと思いますが、自分の運転で複数階で構成されている駐車場に駐車するものです。

ひと昔前であれば、(恐らく)ブレーキとアクセルを誤って運転をし、外壁やフェンス等を突き破って、転落すると言う事故が多くありました。

転落すると、自動車に乗っている人は大けがや死亡事故にもつながりますし、直下にいてる人にも危険を及ぼすという事で、必要に応じて安全性を確保しなければなりません。

例え、乗用車まで落ちなくても外壁やフェンスが落ちてきても危ないですもんね。

なので、「駐車場における自動車転落事故を防止するための装置等に関する設計指針」というのがあります。

こちらでは、適用範囲はこう定められています。

【適用範囲】

直下の地面からの高さが5.1メートル(多数の者の利用する道路、広場等
に転落するおそれがある場合は2.1メートル)以上である駐車場その他の自動車が転落
することにより重大な事故が生じるおそれのあるものに適用する。ただし、駐車場内で操
車を行わない機械式の駐車場においてはこの限りでない。

転落事故を防止するための装置等

自走式駐車場

装置等の構造の設計(一部)

●衝撃力 250kn
●衝突位置 床版からの高さ60cm
●衝撃力の分布幅 自動車のバンパーの幅160cm

部材の塑性変形等を考慮し、衝撃力を十分吸収できるようにする。

●装置等の材料の許容応力度は、通常の短期許容応力度の1.5倍まで割り増して許容応力度設計を行う。

●仕上げ材の落下等による二次災害の防止に配慮する。

では、実際に問題を解いてみましょう

平成22年度一級建築士試験で出題された問題です。

多数の者が利用する自走式の駐車場において、誤作動による自動車の転落事故を防止するための装置等の構造は、250kNの衝撃力が作用した場合に、装置の部材の塑性変形等を考慮し、衝撃力を吸収できるようにする。

正解はマル

まとめ

今回は、「構造」の科目においての「自走式の駐車場」についての記事でした。自走式駐車場は、「計画」の科目でよく出てきますが、構造では珍しいことですが、人命に関わる内容ですので、大切なことですね。

実際に「あっ、こんなとこにもついてるっ!」っと意識してみると結構ありますので、ぜひ機会があれば目にしてみてくださいね。

こうやって、建築士の試験においては科目で内容がかぶっていてそれぞれ違う切り口での出題となりますが、一緒に覚えておくと覚えやすいので、次回は「計画」での記事で書いてみますね。