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一級建築士試験受験の方からこんな質問がありました。
※質問は、顔見知りな人だけ答えてます…っと言うか一緒に考えているので、会話をしながら「あーだこーだ」言える人のみとなりますので、よほどでない限り、ご対応が難しいのでサイトでのお問い合わせによるご質問はご了承くださいませ。
記事の中での「ここ間違ってるのでは?」みたいなお問い合わせは、大歓迎ですっ♪。
質問内容は?
(1)工業専用地域に建築してはならない建築物の中に老人ホーム、福祉ホームその他これらに類するものとありますが、その他これらの類するものの中に老人福祉センターは入らないのですか?
(2)また、老人福祉施設と老人福祉センターは違うのですか?
っと言うものでした。
覚えておく要点
とりあえずの回答は…(汗)。
サッとカッコよく回答してみたかったけど、手元に法令集…がないのは言い訳として(笑)、とりあえずの回答は…。
ん~っ、試験ではその他これらに類するもので政令で定めるもの」っと書いていて定めていない限りは出ないからいいんじゃない?
っと、なんともまぁもひとつ頼りない返事をしてしまいました。
となれば、質問の「老人福祉センターは工業専用地域で建築することができる」となるので、そんな感じでいいんじゃねっと答えました。
その日の夜に帰宅してから、法令集とにらめっこしてもう一度考えました。
なぜかと言うと…。
「計画にも関わってくるから」です!
もう少し、理解が必要だと思いました。
原則、工業専用地域で建築してはならない建築物は?
- (る)項に掲げるもの…っと言う事はもれなく(ぬ)項第三号に掲げるものもついてくる
- 住宅
- 共同住宅、寄宿舎又は下宿
- 老人ホーム、福祉ホームその他これらに類するもの
- あとは店舗とか図書館とか運動施設とかぱちんこ屋とか…。
老人ホームとは?
まずは老人ホームの定義って何だろう?っと思った訳なんですよ。
「有料老人ホーム」だけが建築基準法施工令第19条に載っているし、どないなんっと思い調べてみました。
そしたらですねぇ~、「老人ホーム」って色々な呼び方で色々な種類があるんですねっ!
- 介護付き有料老人ホーム
- 住宅型有料老人ホーム
- 健康型有料老人ホーム
- サービス付き高齢者向け住宅
- グループホーム
- 養護老人ホーム
- 特別養護老人ホーム(特養と呼ばれている)
- 介護老保健施設(老健と呼ばれている)
- 介護医療院(旧介護療養型医療施設)
- 経費老人ホーム・ケアハウス
いっぱいあってややこしいなぁ~…。
受け入れ対象や費用や目的やサービス内容がそれぞれ異なるんだよ。
…こんなにもあったんですね。(実はここまで知らなかったです。)
福祉ホームとは?
障害者自立支援法にてこう定義されています。
福祉ホームは、利用者(福祉ホームを利用する障害者をいう。以下同じ。)が地域において自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、現に住居を求めている障害者につき、低額な料金で、居室その他の設備を利用させるとともに、日常生活に必要な便宜の供与を適切かつ効果的に行うものでなければならない。
老人ホームと福祉ホームの共通点は?
ひとことで言うとずばり「どちらもお家感がある!」って言う事です。
「入所系」だということですね。
ちなみに「入所系」か「通所系」かは、一級建築士では抑えておくポイントです。
老人福祉施設と老人福祉センターは違いは?
こちらについては、「老人福祉法」第5条の3に定義が載っていますし、恐らく建築士の勉強に使っている法令集に載っていると思いますので、良かったら確認してみててくださいね。
老人福祉法第5条の3
この法律において「老人福祉施設」とは、老人デイサービスセンター、老人短期入所施設、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、経費老人ホーム、老人福祉センター及び老人介護支援センターをいう。
っとなっています。
という事は、老人福祉施設の中に老人福祉センターが入っているという事です。
じゃあ、老人福祉センターとは?
こんなところですっ!(↓クリックすると大阪の老人福祉センターのサイトへ)
要は、高齢者に解放されていて色々な相談やレクリエーションなどの便宜を総合的に提供する通所施設の事です。
まとめ
工業専用地域では、主に工場の建造となり、他の工業系の用途地域(準工業地域、工業地域)とは異なり、唯一住宅の建造が許されていない地域なんです。
なので、老人ホームや福祉ホームなどの入所系の建物も建築してはならない建築物として定められています。
おまけ
じゃあ「老人憩いの家」も、名前にお家感があるから工業専用地域ではダメなの?
ううん、老人憩いの家も老人福祉センターと同じく、教養の向上、レクリエーション等のための場であり、老人の心身の健康の増進を図ることを目的とする通所施設なんだよ。
街中を歩いていると色々な福祉施設を見かけます。老人憩いの家もよく見かけるのは、たまたまかも知れませんが、ついついおじいちゃんおばあちゃんが集まってるのかなっと思って見てしまいます♪。