法規

同意と許可のポイントは覚えた方が楽ですっ

同意と許可

一級建築士試験における出題のポイント

二級建築士では、この類の問題は出てたかな?っと思うくらい記憶にないので、一級建築士の出題傾向で書いていきます。

ひと昔前であれば、「建築審査会の同意を必要としないものはどれか?」なんていう問題が出てたのですが、最近はところどころ枝でポツっポツっと出てくる感じで出題されています。

まぁ、ザクっと言ってしまえば…。

建築主が提出する許可申請は、特定行政庁へ提出をし、その時には建築審査会の同意がいるんだよって言うことを「原則」として覚えてしまう。
・・・だとしたら、「原則」があれば「例外」ですよね。例外にはおもに3つあって、それらの項目を理解してしまうと処理スピードがアップになりますよ。
SAKU
サク

キーワードは「建築主が提出」「特定行政庁&建築審査会の同意」だね♪

覚えておく要点

建築審査会の同意は何条に書いてある?

建築基準法第78条に定められています。長い条文ではないですが、建築審査会としての権限が4つ定められています。

だいたい6名~7名くらいなのかなぁ~(はっきりとは知らないですが)、法律やら都市計画などその分野に詳しい人で、大学の教授や弁護士等の方たちで構成されていて、しょっちゅう審査会をしているのではなく、時々(月に数回)集まって審査しているような会のイメージでいいかと思います。

特定行政庁の許可の条件は何条?

建築基準法第92条の2に定められています。あまりいちいち見て確認する条文ではないのですが、いざという時はここに書いてあるんだなぁ~っと言うくらいはわかるように、一度見ておくのもいいかと思います。

許可申請の例外-その1-

まずは、建築基準法48条の「用途地域等」です。この中の条文の第14項が今回、定められている例外の内容です。

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サクラ
サクラ

例外の時の特定行政庁の許可の話しね♪

この例外の特定行政庁の許可の時は、建築審査会の同意はもちろん必要なのですが…。

 

SAKU
サク

あらかじめ公開による意見の徴収も必要!

そうっ!ここが超重要なポイントなんです!

サラッと書きましたが、もう一度言います!「あらかじめ公開による意見の徴収必要!」です。

では、実際に問題をしてみましょう。

一級建築士試験の平成11年度の問題より

特定行政庁は、用途地域の用途制限に係るただし書の規定による許可をする場合(既に許可を受けた建築物の増築等の場合を除く)においては、あらかじめ、その許可に利害関係を有する者の出頭を求めて公開による意見の徴収を行うか、又は建築審査会の同意を得なければならない。

答えはバツ
SAKURA
SAKURA

んっ?どこが間違えているのかわからない・・・。

サク
サク

文章をよく読んでみて!日本語がおかしいところがない?

SAKURA
SAKURA

わかったぁ~!「又は」ではなく「かつ」だぁ~!

サク
サク

そうそう!「OR」ではなく「AND」ってことだね。

許可申請の例外-その2-

次は、建築基準法第51条の「卸売市場等の用途に供する特殊建築物の位置」です。この条文の中の特定行政庁の許可を得る時には、建築審査会の同意は必要としません。そして例外-その1-にも上げた「公開による意見の聴取も必要ありません」。細かく言うと「都道府県又は市町村都市計画審議会の儀」は要しますけどね。

こんな問題が出題されました。一級建築士の平成12年度からの出題です。

建築審査会の同意が必要だと〇です。

都市計画においてその敷地の位置が決定していない汚物処理場について、特定行政庁がその敷地の位置が都市計画上支障がないと認めて許可する場合

答えはバツ

「法51条により建築審査会の同意は必要ではないよ。」

許可申請の例外-その3-

次は、建築基準法第85条3項と5項でも、さきほどの第51条と同様に「許可申請の時は、建築審査会の同意も公開による意見の聴取も必要ありません」。ちなみに「都道府県又は市町村都市計画審議会の儀」も必要ありません。

まとめ

  • 原則は特定行政庁の許可には、建築審査会の同意が必要
  • 法48条は、さらに公開による意見の聴取も必要
  • 法51条と第85条は、建築審査会の同意は不要

荒っぽくまとめるとこんな感じです。

おまけ-その1-

ちなみに、サラッと読むと特に引っかからないのですが、条文の中には特定行政庁の「認めて許可」と似た言葉で「認める」とありますが、「認める」は許可申請が必要ではありませんので。

サク
サク

建築基準法第44条1項第号と号には、「特定行政庁の許可」は定められていますが、第号には…?

SAKURA
SAKURA

あっ、「特定行政庁の認めるもの」って書いてるっ!

この辺りも問題で注意して読んでいくといいですね。

おまけ-その2-

特定行政庁の許可以外にも審査会の同意が必要なのもあります。イメージとしては何かを「指定」する時が多いです。

例えばで言うと、建築基準法第42条6項は短い条文なので、良かったら確認しておいてくださいね。

特定行政庁は、第2項の規定により幅員1.8m未満の道を指定する場合又は第3項の規定により別に水平距離を指定する場合においては、あらかじめ、建築審査会の同意を得なければならない

サクラ
サクラ

ホントだぁ~!特定行政庁の許可って書いてないっ!

おまけ-その3-

個人的に好きな問題…っていう表現もどうかと思うのですが(笑)。良かったらやってみてください。一級建築士の平成17年度からの出題です。

建築物の壁で地盤面下の部分については、特定行政庁が建築審査会の同意を得て許可したものでなければ、壁面線を越えて建築することかできない。

答えはバツ

だいたい、「…でなければ」って言う出題のされ方自体が怪しさが出てるんだけど(笑)、建築基準法第47条の内容は「A又は特定行政庁の許可したB」と言う読み方なので、地盤面下の部分はAに当たるので、許可は必要としないのでひっかかった人は「もうひっかからないぞっ!」っと、法令集にセットアップしておきましょうね。