目次
前回の続きです
もう少し色に関係する記事を書いていきますね。
☞前回の記事色の見えるしくみ
ここでもかいたのですが、「人間の見える色の範囲は?」という事で、光の波長は「380nm~780nm」ですとサラッと書いたのですが…。
今回は、この波長をもう少し詳しく書いてみますね。
明所視(めいしょし)、暗所視(あんしょし)とは?
目で色を見るための3要素は前回書きましたが、そのうちのひとつ「光」に反応して、明るいところと暗いところでは、働いている目の細胞の種類が違う・・・らしいです。
さらに、明るい場所での機能を「明所視」、暗い場所での機能が「暗所視」と言い、試験ではこの辺りの知識が出題されます。
比視感度曲線
では、まず今までの人の見える波長「380nm~780nm」と、「明所視」と「暗所視力」までは何となくわかりましたでしょうか?
「明所視」と「暗所視」がどのように放射エネルギーを光として感じるか…いやいやっ、簡単な言い方をすると、どれくらいはっきり見えるかの感じ方を曲線したものを「比視感度曲線」と言います。
これで、何がわかるかと言うと…この曲線のピーク(一番上)の色に注目ですっ!
- 暗所視では「青緑」、明所視では「黄緑」が強く感じられる
- 波長によって感じ方が違い(横軸)、赤よりも緑の方が強く感じられる
- 暗所視は明所視より波長が短い方へ移動する(より緑っぽいのが見えやすい)
特に3つ目の暗所視は明所視より波長が短い方へ移動する…つまり、緑っぽい色が一番見えやすいことを「プルキンエ現象」と言います。
※「補色」については、また別記事で説明しますね。
では、今までのところを踏まえて一級建築士平成27年度の問題を2問どうぞっ。
人の目が光として感じることができるのは、波長が380nm~780nmの放射である。
ある面からの放射エネルギーが同じ場合、明所視では、緑色より赤色のほうが強く感じられる。
「明所視では黄緑がピークだったもんね。」
暗順応と明順応とは?
これを難しく説明しようと思えば、細胞の話しからになってしまうので、ざっくりと説明させてくださいね。
恐らく皆さんも一度は経験したことがあると思うので、思い出してみてくださいね。
明順応のシーン例
朝、寝ていたら急に窓のカーテンを開けられてしまい…。
「うわぁ~!ま、まぶしいぃ~」ってなっても…しばらくすると目が慣れませんか?
この慣れるまでの時間が「明順応」です。
暗順応のシーン例
これは、明順応とは逆です。
例えば、夜に部屋にいてて急に停電したら…とか。
「うわぁ~!く、くらぁ~っ」って、なってもしばらくしたら目が慣れませんか。
この慣れるまでの時間が「暗順応」です。
さて、ここで問題ですっ!
この「まぶしぃ~!」と言うのと「くらぁ~!」って言うのは、どちらが早く慣れると思います?
これらは色々なシーンで、一度と言わず経験されていると思いますので何となく感覚でわかるのではないでしょうか?。
実際には、年齢などで個人差はあるのですが、はるかに「うわぁ、まぶしぃ~!…あっ、慣れた♪」と言う「明順応」の方が短時間なんです。
個人的には、かなりの鳥目なので「暗順応」にはなかなかならないんです(泣)。
実際に、一級建築士平成25年度の問題を解いてみましょう。
人の目には明るさの変化に順応する能力があり、明順応より暗順応のほうが時間を要する。
おまけ
建築士の試験においては、「明所視」と「暗所視」だけの出題ですが、こちらのそれぞれの細胞が両方働くとき…すなわち夕暮れあたりを「薄明視(はくめいし)」と言います。
それと・・・もひとつおまけ・・・。
イラスト作成ソフトが上手に使えないので、今回の比視感度曲線はJW-CADで書いてみました(笑)。