目次
前回の残響時間の続きです
前回の復習も兼ねてひとつ問題を。
あ、先に公式をもう一度出しておきますね。
一級建築士の平成28年度の問題です
セイビン(Sabine)の残響式によると、残響時間は、容積が1,000m3で等価吸音面積200m2の室より、容積が500m3で等価吸音面積120m2の室のほうが短い。
ではでは今回は、セイビンさんの他に2人紹介しますね。
アイリングの残響式
セイビンさんの残響時間の公式なのですが、吸音率って0から1までの数値で表すんですが、数値が大きいほど反射しないってことなんです。
で例え、吸音率が1になっても・・・吸音性能がめっちゃ良くても・・・セイビンさんの計算式では残響時間はゼロにならないっという欠点があったんです。
つまり、どうしても実際より大きい数値となってしまうんです。
それが・・・。
アイリングさんの残響時間式
まぁ、セイビンさんの残響時間式を修正したのがアイリングさんって言う感じで覚えておいたらいいかなぁ~。
ヌードセンさんの残響式
また、大きい部屋になると・・・ちゃんとした言い方で言うと、容積が大きい室だったら、空気の音響吸収を考えた式を提唱しているものもあります。
本当は、まだ他の人の残響式もありますが、この3人と言うか、今のところセイビンさんとアイリングさんを抑えておけばいいかと思います。
あっ、ヌードセンさんも正式には「アイリング・ヌードセン」さんなんですが、ややこしくなるので、「ヌードセン」さんと覚えておきましょうね。
では、問題を1問。
一級建築士の平成29年度の問題より
室内の平均吸音率が大きい場合、セイビン(Sabine)の残響式により求めた残響時間は、アイリング(Eyring)の残響式により求めたものに比べて、長くなる。
一級建築士の問題でよく出ていますので、このイメージを持っておくといいですね。
最適残響時間として推奨される値は、一般に、室容積の増大に伴って大きくなる。
こちらは平成13年度の問題なんですが、イメージを持って考えるといいですね♪。
その他1(学校の残響時間の推奨値)
その他にも「学校施設の音環境保全規準・設計指針」から残響時間の推奨値っと言うのがあるんですが、ここからも出題をされています。
学校の普通教室においては、平均吸音率が0.2程度となるように、吸音対策を施すことが望ましい。
まぁ、そう決まってるからねぇ~。
参考までに・・・。
普通教室(200㎥程度)で、平均吸音率(500Hzと1kHzの平均)を0.2程度とし、その時の残響時間は0.6秒が推奨値としてあげられています。
これが体育館(5000㎥)だったら、同じく平均吸音率は0.2程度で、残響時間は1.6秒とされています。
周辺知識としてこのくらいでいいかなっ♪。
その他2(吸音率の測定方法)
吸音率を測定するのによく使われているのが、「残響室法」と「垂直入射法」というのがあります。(他にもなんだかんだあるけどね。)
だけど、建築設計という観点から考えると測定するのはややこしいけど「残響室法」が一般的なんで、この定義だけ覚えてたらいいんかなっと思っています。
一級建築士試験の平成28年度の問題より
残響室法吸音率は、残響室内に試料を設置した場合と設置しない場合の残響時間を測定して、その値をもとに算出する試料の吸音率である。
こんな感じで正しい枝として出題されていますので、そのまま覚えてていいかも。
まとめ
建築士の学科の勉強している時は、もぉ~なんやねんっ、透過とか遮音とかぁ~ってなってたなぁ~(笑)。
勉強させられているという気持ちを持つよりも、セービンさんってこんな事してたんやぁ~っと興味を持った方が覚えやすいかなっと思って書いてみました。
アメリカにあるシンフォニーホールも、世界で初めて科学的な根拠に基づいて音響設計がセイビンさんによって設計されたと思ったらセイビンさんってすごいなぁ~・・・っても思いながら、そして音響設計って大事なんだなっと思いながら書いてみました。