建築士試験の勉強法

残響時間について

まずは残響のイメージから

サクラ
あっ、ヤッホーって・・・これはやまびこだね♪。これが・・・残響?。
サク
これはね・・・残響ではなくて・・・言葉が反射してかえってくるからだけだからなぁ~。残響というのは音が止まった後も反射を繰り返しながら壁などに消えていくことなんだよ。
サクラ
ん~っ、残響って難しそう・・・。
サク
お風呂の中で歌ったりすると、声が響いて上手く聞こえたりしない(笑)?。
サクラ
うんっ、確かに声が響く・・・あっ、この響くっていう感じがそうなのかなぁ~♪。
サク
うんっ、そんな感じでいいかもねっ。

っと、久しぶりにサクラとサクの会話を登場させたかっただけなんですけどね(笑)。

残響って、「響きが残る」っと書いて「残響」。

頑張って文字にすると・・・。

「こんにちはっ♪」が「こぉ~ん~にぃ~ちぃ~わぁぁぁ~♪」って言う表現が正しいかなっ。

体育館とか広いスペースでしゃべっている会話がはっきりくっきり聞こえにくいのは、残響があるからですねっ。

では、残響時間とは何か?。

実際に、二級建築士では定義がよく出題されているので問題形式で書いてみますね。

二級建築士の平成26年度の問題より

残響時間は、音源から発生した音が停止してから、室内の平均音圧レベルが60dB低下するまでの時間をいう。

サク
これは、正しい枝なので定義として覚えててね♪。

体育館とかのイメージを持つと、室容積が広ければ残響時間が長そうなイメージが持てるので・・・。

二級建築士の平成24年度の問題では・・・。

残響時間は、室容積に比例する。

正しい枝として出題されています。3

しかし、まぁ~、二級建築士の中でも珍しいくらいの短文な問題です(笑)。

他にも、二級建築士試験で残響時間関係でよく出題されている問題としては・・・。

残響時間を計算する場合、一般に、室温は考慮しない。

こちらも正しい枝なんですが、このパターンはよく出てきますねぇ~。

まあまあ、短文の問題なのでこのまま覚えてしまってもいいのですが、そもそもこれらの内容は、ある人の公式に基づいているんです。

誰の?

えっ?だ、誰の・・・?っと思った方っ。

今から、3人の人物が登場しますので。

セイビンの残響時間




まずは、建築士試験では昔っから登場しているセイビンさんの残響時間。

ちなみに「A」の「室内の吸音力」の「㎡」は、「メートルセイビン」と読みますので♪。

誰かに話す時は、カッコよく「メートルセイビン」と言いましょう(笑)。

この式からさきほどの2つの問題が出題されているんです。

もう一度、まとめとして書いておきますね。

  1. 残響時間は、室容積に比例する。
  2. 残響時間を計算する場合、一般に、室温は考慮しない。

この式の中に、室温は登場していないので考慮しないってことで理解しちゃっていいです♪。

では、次はこの式を頭に入れてから問題をひとつ

平成12年度の一級建築士の問題より

直方体の室で、完全拡散(内装材の吸音率は室内で一様)とみなした場合、同一の内装材を使って、その室容積を2倍すると、残響時間も2倍となる。

こちらの問題は、表面積も応じて増大するので、誤りの枝となります。

残響時間は、室容積に比例する。

こちらは正解。

つまりは・・・。

比例の関係かと言われたら比例の関係だけど、室容積が2倍になったら、それに対して室内全表面積も増えてくるので、単純に2倍にはならないという事。

あとは、吸音力のイメージ。

例えばコンサートホールのような会場で、空っぽのホールでの残響時間と、満員御礼のコンサートホールでの残響時間はどうかと言うと・・・。

人間ってすごい吸音力があるんですって♪。

セイビンさんって音のめっちゃ専門ではなかったけどハーヴァード大学フォッグ講堂の音響の改良を任されたそうなんです。

この話しがWikipediaに書いてあったので、続きの話しを引用して書きますね。

セイビンはまず、フォッグ講堂は音響がよいことで知られる他の講堂とどのように違うのかを分析することから試みた。特に同じくハーヴァード大学のサンダース劇場は音響がよいことで知られており、これがよい比較の対象になったという。それから数年間はセイビンとその助手達で毎晩ふたつのホールを往来し、さまざまな建築材を持ち込んでは音響の実験を繰り返した。ある日、サンダース劇場から数百ものシートクッションを借りることが出来たので、それを使用して、セイビンはオルガンとストップウオッチを使ってさまざまな条件下のもとで何度も残響時間を測定する実験を行った。その結果、人間の体はシートクッションの約6倍音を吸収することが突き止められた。測定を終えると、朝からまた授業で講堂が使用されるため、急いですべての実験器具が片付けられた。

セイビンはこのような深夜の活動の末に、室内の音響は、室の大きさおよび壁などによる吸音量と関係があることが突き止められた。セイビンはここから「残響時間」の概念を「残響音が60dB減衰するまでの時間」と明確に定義した。これは現在でも室内の音響を表すもっとも重要な指標になっている。さらにセイビンは以下の公式を見出した。これは現在セイビンの法則と呼ばれている

なんか・・・セイビンさんってすごくないです?。

それと・・・。

人間の吸音力ってすごいんですねぇ~♪。

ではでは、それを踏まえて問題を1問やってみましょうかぁ~♪。

一級建築士の平成14年度の問題より

残響時間は、拡散音場において、音源停止後に室内の平均音響エネルギー密度が1/106に減衰するまでの時間をいい、コンサートホールにおいては、一般に、そのホール内の聴衆の数が多くなるほど短くなる。

これも正しい枝ですが、何となくセービンさんの努力のくだりを読むとイメージができたのではないでしょうか。

まとめ

今回は、キリがいいのでこの辺で終わり。

まだ、他の2人が登場していないのですが、まずはこの辺で。

セイビンさんってセービンとかセイビンとか表現が違います。

英語表記では「Sabine」。実際に一級建築士の平成29年度の問題では「セイビン」。

まっ、呼び方はお好みでどうぞ♪。