目次
出題の傾向
前回の記事からお読みくださいね。
今回のこの記事は、「必要有効換気量」と「換気回数」について書いていきます。
覚えておく要点
換気回数とは?
1時間あたりの換気量を、その室の容積で除した値で、室内空気が1時間で何回入れ替わったかを表わします。
建築基準法施工令第20条の8
タイトルは「居室を有する建築物の換気設備についてのホルムアルデヒドに関する技術的基準」という長ったらしいタイトルです。
内容としたら、建材や室内の家具からのホルムアルデヒド等の化学物質の発散によるシックハウス症候群の被害を防止するために、居室には換気設備が義務付けられている。機械換気設備を設ける場合、住宅等の居室にあっては0.5回/h、その他の居室にあっては0.3回/h以上の換気回数とする。
単位が回/hになっているということは・・・?
一時間あたりの回数っということっ!
そうですよねっ♪では、二級建築士平成27年度からの出題です。
必要換気回数0.5回/hの室においては、2時間で少なくともその室の容積と同じ量の新鮮な空気が供給される必要がある。
「必要換気回数0.5回/h×2時間=1回となるので、2時間では少なくとも室容積と同じ新鮮な空気が入ってくるということだね。」
色々な居室の必要換気回数
便所
- 使用頻度が高い場合…10~15回/h
- 使用頻度が低い場合…5~10回/h
一級建築士平成19年度からはこんな出題がされています。
事務所ビルの便所の換気量の算出に用いられる換気回数は、一般に、5~15回/hである。
「便所は使用頻度によって違いがあるので、その数値も覚えておくといいね。」
病院の手術室
10回/h程度の換気回数
レストランの厨房
30~60回/h程度の換気回数
火を使用する厨房は、二酸化炭素、一酸化炭素、水蒸気、臭気が多量に発生するので、多くの換気量が必要となり、必要換気回数も多くなります。
空気汚染の指標
換気については、この2つを覚えておきましょう。
- 二酸化酸素の許容濃度は0.1%(1000ppm)
- 一酸化炭素の許容濃度は0.001%(10ppm)
ppmとは?
Parts Per Millionの頭文字を取ったものです。
Million(ミリオン)って、「このDVDがミリオンセラーにっ!」って100万枚突破の時に使う言葉ですね。
すなわちPPMを訳すと、1,000,000万(Million)の中に(per)、どれだけあるの(Parts)?ってことですね。
理論排ガス量とは?
建築基準法施工令第20条の3第2項で定められていて、計算方法等は告示1826号で定められています。
参考サイトを載せておきますね。
理論排ガス量とは、厨房のガスコンロや開放型のガスストーブ(一定時間で換気が必要なもの)などで、これらを設置した時に、多量の一酸化炭素や二酸化炭素、水蒸気、臭気等を排出するために、理論廃ガス量を基準にして算出しています。
二級建築士平成27年度からの出題です。
ガスコンロを使用する台所に設ける換気扇の有効換気量の算定には、理論廃ガス量が関係する。
まとめ
換気の計算(必要換気量・有効換気量)は、2回の記事で大きく分けて3つ紹介しました。
- 汚染質濃度による必要換気量…二酸化炭素濃度を基準
- 喫煙者の多いところの必要換気量…浮遊粉じん量を基準
- 開放型燃焼器具がある室の換気設備の有効換気量…理論廃ガス量を基準
以上となりますが、換気関連の知識はまだまだありますが今回の換気はこの辺で。