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出題の傾向
タイトルは「水」と書きましたが、どちらかと言うと水質ですねぇ~。当たり前に蛇口から飲んでる「上水」とか、公園に使われていたりもする「中水」とか、言葉の区別をして考えると、二級建築士では苦手意識を持つ方が多い給水設備も少しはとっつきやすいかと。
一級建築士では、排水再生利用水「中水」の出題も多いですね。
覚えておく要点
水の種別は?
上水
生活用水の一種で、消毒・殺菌され加圧されてからの供給となる。基準をクリアして飲料用水となります。
中水
排水再生利用水のこと。飲めないけど人体には害がない形での再利用となります。
原水としては、手を洗面器で洗った水なんかはまあまあ綺麗なので再利用しやすいけど、他にも厨房排水や便器洗浄排水も利用できます。
では、ここで1問やってみましょうか。
一級建築士試験の平成16年度の問題より
排水再利用水の原水として、洗面器や手洗器からの排水だけではなく、厨房排水や便器洗浄廃水も利用することができる。
「これ以降の年度の出題では、正しい枝で出たり、間違いの枝で出たりするので、厨房排水や便器洗浄排水も…は忘れないでね。」
下水
排水の水のこと。地下水路などで終末処理場に集約し処理されたあと、帰るべきところに帰るみたいな感じ(こんな言い方でいいかしら)。
井水
井戸から供給され、美味しそうな水のイメージもあるのですが、実際には水質管理上の問題や都市部においては地盤沈下の問題もあり、使用を禁止しているところは多いです。
その代わりに都市部の大規模ビルの冷却水や工業用水として中水が利用されたりする訳で、中には雨水浸透施設と水再利用施設兼用の中水道の設置が義務付けられていたりするところもあります。
上水の水質基準は?
たくさんの基準項目(51項目)があるけど特に覚えておきたいのは
- 大腸菌:検出されないこと
- 塩化イオン:200mg/l
一級建築士試験の平成9年度の問題より
厚生省令による水道水の水質基準においては、大腸菌は「検出されないこと」と定められている。
排水再利用水の水質基準は?
- 大腸菌:検出されないこと
中水(排水再生利用水)の利用のされ方は?
排水再生利用水と雨水を合わせて「雑用水」と言ったりするのですが、比較的大型施設では、雨水は水洗トイレに利用されたりすることが多いです。
「雑用水」の原水にはいくつか種類があって
- ビル排水
- 雨水
- 地下水
- 工業排水再生水
- 下水再生水 等
があり、それぞれ含有物質等が異なるためにビル衛生管理法においては、利用用途ごとに水質基準が決められていたりします。
健康被害を防ぐためのを目的としているために、屎尿等を含む汚水は使用できない場所を定めています。
まとめ
中水と言う言葉を最初に知った時、「おぉ~!上水と下水の間だから中水って言うんかぁ~!」って、妙な納得をしたのを覚えています。
中水ではないですが、雨水再利用水を積極的に取り入れて、広島のマツダスタジアムは、トイレの排水や球場までにいくまでの水路敷の水や、またグラウンドの散水に利用しているという取組みが評価されていました。