環境設備

怖いっ!レジオネラ属菌

レジオネラ属菌

出題の傾向

一級建築士では、空調設備でも給湯設備でも出題されています。そして、二級建築士は…出ちゃいました!しかも不適当な枝で!しかも去年!(平成29年度)

知らなかったらわからなくて選ぶことの出来なかったし、他の枝もまあまあ考えさせられたと思いますので、正答率は低かったと考えられます。

覚えておく要点

レジオネラ属菌ってとても怖いんです。

レジオネラ菌

↑本当はもっと細長い形の菌です。

普段から自然界の中に広く存在しているのでそのもの自体がどうのこうのではないんです。

レジオネラ属菌は、ぬるい温度のところでぬめりがあるような所の人工的環境(冷却塔や入浴設備)ですっごい数の増殖が行われます。

…語彙力がない表現ですみません(苦笑)

例えば、入浴設備で増殖したとしましょう。怖いのが菌に汚染された目に見えない小さい小さい水滴(エアロゾル)を吸い込んじゃうことなんです。

そうすると、熱が出たり、怖いのが肺に入る「レジオネラ肺炎」なんです。免疫力のない方が重症となると死に至ることもあり、とても怖い病気なんです。

レジオネラ属菌が好む場所は?

温度は?

20℃~50℃が繁殖される温度で、レジオネラ属菌の繁殖最適温度は35~36℃と、覚えておきましょう。人肌っと言ったところですね。

60℃以上の高温では、5分以内に殺菌が可能だそうです。70℃では死滅するともいわれています。

場所は?

栄養素となる有機物が蓄積される給湯配管や冷却水塔が居心地がいいんでしょうね。一級建築士もこの場所からの出題で、二級建築士は深夜電力温水器からの出題です。

では、二級建築士平成29年度からの出題です。

深夜電力温水器において、レジオネラ属菌の繁殖を防ぐためには、貯湯槽内の湯の温度を40℃程度に保つ必要がある。

答えはバツ

「給湯温度は、貯湯槽内で60℃以上末端の給湯栓でも55℃以上保たないといけないんだよ。」

外気取り入れ口とガラリの離隔距離

冷却塔(クーリングタワー)の温度設計は、外気湿球温度は27℃、入口水温が37℃で出口水温が32℃が設計基準なんです。

そうなると、レジオネラ属菌がどうしても好んでしまうんですよねぇ~、困った困った。

冷却塔の通風冷却時に水滴とともに飛散して、外気取り入れ口からダクトを通って水滴(エアゾロル)が人体に入っていくと危険ですもんね。

さぁ、どうしようっていう事で…。

一般には、冷却塔と外気取り入れ口とは10m以上の離隔距離を取ります。

あ、ちなみに通風によって、水滴が冷却塔の外へ飛散する現象を「キャリーオーバー」と言います。

ブローダウンとは?

こちらも関連用語です。

大きな冷却塔って、ずっと水を循環して再利用しているから水が蒸発していくと不純物が残っていったりして、藻が発生したりして水質が悪化していくです。

そのために冷却水を入れ替えることをブローダウンといいます。

まとめ

給湯温度

この温度を覚えるのと、繁殖する温度を覚えるのがポイントですね。

おまけ

試験には出てませんが、レジオネラ属菌が好む季節はちょうどこの記事を書いている頃「初夏」です。梅雨のジメジメとした時期なんかは好きそうですねぇ~。

ぬめりとかはレジオネラ属菌が大好きな栄養素。2時間も経てば分裂すると言われています。そこまで神経質にならなくてもいいですが、お風呂の浴槽は綺麗に洗おうとこの記事を書きながら思ってしまいました。