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一級建築士では平成29年度にオストメイトについての出題がありました。
一級建築士では、平成29年度に初めて「オストメイト」についての出題が2枝ありました。
その年の製図「小規模なリゾートホテル」では、要求室のひとつに「多機能トイレ」が要求され、特記事項としては、「車椅子使用者、オストメイト等に配慮する」となっていたので、今回はこの辺りを書いていきますね。
覚えておく要点
多機能トイレとは?
「多機能」…多くの機能ってどんな人のため?っと考えると次のようになります。
つまりは、現在はバリアフリーからユニバーサルデザインになっているということですね。
- 車いす使用者
- 妊婦さん・高齢者さん(ベンチやベッドがあったりするところも)
- ママさん(おむつ替えシートやベビーチェア)
- オストメイト(内臓疾患者)
- 服を着替えたい人(収納式着替え台)
このようなどんな方にでも使いやすいように計画されているトイレです。
義務化はあるの?
少しここで「法規」の知識になりますが、「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」第14条の「特別特定建築物の建築主等の基準適合義務」では、2000㎡以上の特別特定建築物の便所は令14条1項二号には「円滑に利用することができる構造の水栓器具を設けた便房を1以上設けること」となっており、すなわちこれが「オストメイト」を指しています。
多機能トイレにはどんなものが設置されているの?
↑こんなマークが目印ですね。
その中でもこのマーク↓
こちらのマークは「オストメイト用設備がありますよぉ~!」っと言うマークです。
オストメイトとは?
病気な障害などが原因で、おなか辺りに造られた便や尿の排泄口の人工肛門や人口膀胱を「ストーマ」といい、これらを持っている人を「オストメイト」と呼びます。
ストーマーには袋状のもの「パウチ」(日本語読みでは化粧品のポーチと同じ意味)を装着しており、スムーズに排せつ処理が出来るように、色々な設備があります。
例えば、ストーマ装具や関連の小物が置けるカウンターやフック、着替えができるようにマット、パウチが剥がれたり破損した時には洗浄も必要となるのでハンドシャワー水栓など…。
多機能トイレでオストメイト用設備がない時は、普通便座で排せつ処理を行うと中腰になったりと、なかなか大変だと思います。
オストメイト用設備のサイズは?
製図試験等で図面に書くときにサイズ感が必要なので記載しておきますね。
約W750×D600です。最近ではコンパクトなもの(約W550)もあったりします。
実際どんな風に出題されているのか?
一級建築士平成29年度からの出題です。
オストメイト用設備を有する便房の汚物流しに設ける水栓は、湯温調整付きレバーハンドル型混合水栓とした。
もう一問、同じく一級建築士平成29年度からの出題です。
オストメイト用設備を有する便房には、ストーマ装具や関連の小物等を置くことができる手荷物置き台(カウンター)を設置した。
まとめ
オストメイト用設備にはどんなものが何のために付いているかを理解するとわかりやすいですね。
平成29年度で出てきた設備は湯温調整付きレバーハンドル型混合水栓と手荷物置き台ですが、他にもハンドシャワー型水栓等もありますね。
おまけ
ちなみにこれらの問題の時の不適当な枝に、「洗面器の鏡は車いす使用者の利用に配慮して傾斜された」が不適当な枝でした。
実は、少し前まで駅のトイレで鏡が傾斜している公共のトイレがあったんです。なぜかと言うと、それまでは「傾斜がいいやんっ♪」って思われてたからなんです。
確かに車いす使用者専用でしたら使いやすいのですが、健常者が使うと「頭しか見えへんっ!」となるので、現在では傾斜をさせず、設置高さを下げる事で、どちらも使いやすくしています。
今回はサクラが登場していないので、最後に…。