コラム

建築士になるためには・・・の質問に答えてみた

中学生からの質問

建築士になるためには?

誰からかの質問かと言うと・・・中学生の男の子。

建築士になりたい中学生

春休みの宿題のひとつで「職業の調査」らしいのですが、本人自体も建築士にとても興味があるようなので、今回は記事にしちゃおうかと思いました。

必要な学歴は?

もちろん中学を卒業して、そのまま建築業界で仕事をすると、最終的には一級建築士の資格も取ることができます。

自分自身も、まったく建築に関係ない高校を卒業してからの実務経験を積んで、一級建築士になったのですが、自分の事と重ねてみると・・・。

しっかり大学(または大学院)まで行って、建築を学んでから社会に出てほしいなぁ~っと親心ながら思ってしまいます。

もし、自分が同じ中学生の時に「建築士」に興味を持っていれば、絶対に大学に行って色んな勉強をしたかったなぁ~っと思っているので。

そして、去年の改正でたぶん来年に施行される「受験資格」の変更。

この法改正によって、大学を卒業したら実務経験を積まなくてもすぐに「一級建築士」を受験することが可能になるようです。

自分は、二級建築士を受けることができるまで「7年」、そしてさらに一級建築士を受験することができるのが「4年」っといったまあまあの実務経験がないと受験資格がなかったので、大学を卒業するとすぐに二級建築士を飛ばして一級建築士を受験することができるようになるのがとても羨ましい。

ただ、以前の記事にも書いたのですが、二級建築士からの受験が個人的にはおすすめです。

受験資格の改正1
【お詫び】以前の記事に誤りがありました!確認せずに記事を書いていました ※注)前回の記事は、一定の受験資格者だけにクローズアップして書いたものですが、今回は、このサイトのタイ...

必要な資格は?

もちろん、建築士になりたいのであれば「一級・二級建築士」

大きな建物の現場監督になりたいのなら「一級・二級施工管理技士」

家具や内装が好きなら「インテリアコーディネーター」

色に興味があるなら「カラーコーディネーター」っと言ったように、建築に携わる資格はたくさんあります。

あとは、一級建築士になってからさらに実務を重ねて、構造に特化した「構造設計一級建築士」や設備に特化した「設備設計一級建築士」と言う資格も出来て、かれこれ10年が経ちます。

なんでこんな一級建築士の上位資格が出来たのか・・・。

2005年に建築業界において、あるひとりが起こしたとんでもない事件が起きました。

まだ、中学生だから生まれてないよね。

ぜひ、どんな事件があったか調べてみるといいかな。(一応、宿題だからね。)

建築という仕事を選んだ理由は何?

建設会社に経理として入社したんだけど、そこで「CAD」っというものを見た時に、「パソコンでキレイな図面が書ける!」っという衝撃を覚えて。

「自分の仕事をやることやったらCADで遊んでてもいいよ」っと言うひとことに、なんの知識もなかったけど、定時で会社が終わったらCADで遊び、マニュアルを持って帰ってはずっと読んだりして・・・。

そのうち、「図面を入力してみる?」っと言われたのが建築という仕事の始まりだったなぁ~。

建築に携わる仕事だったら大量のコピーでも何でも喜んで仕事してたわぁ~♪。

あっ、あと宿題で調べるなら「BIM」と言うキーワードを調べてみるといいかも。

今、中学生だから社会に出るころは「BIM」はどうなっているかわからないけど(笑)。

楽しい点や良い点はなんですか?

最初は1/100や1/400っと言う、データ上でのいわゆる「絵」が、実物大で「形」になって登場するってすごく楽しいと思ってた。

マインクラフトや、レゴ、ナノブロックのリアル版でもあるし(笑)。

でも今は、少し楽しさを見出すところが変わってきてて、住宅のリフォームとかリノベーションがとても好きで、住宅の改装をすることでその家に住んでいる家族の動線が変わって、家族の動きが良いように変わることがすごく楽しいかな。

リフォームとリノベーションってどう違うの?。

こんな事も調べておくといいかも。

あと、ついでにコンバージョンって何?って言うのも調べておくといいかも♪。

つらい点や嫌な点は?

何かあるかなぁ~っと考えたんだけど、現場に出てると、ここはあえていい表現にすると「思いっきり季節感を感じることができる」(笑)。

寒い日に、冷たい水で洗い物をしたり、体に悪そうなあっつい日でも外にいて作業したり・・・。

あと、設計が好きでたまらん人は、机に長時間座って仕事しようと苦にならないはず。

その分、体調管理もしないといけないけどね。

もっと現実味のある「闇」の部分も書きたいところだけど、ホンマにないなぁ~。

あっ、しいて言うなら漫画家とかと同じで「締切日」があって、いついつまでにやらないといけない事もあって、それが割と「無理やんっ!」て言いたくなる時もあったりの、そんな刺激的な仕事も多いかなっ(笑)。

あとは建築業界って、よく新しいデザインや新しい施工方法、材料なども出てくるし、もちろん法改正もあるし、ずっと勉強しないといけない業界だと思うんです。

「社会に出ても勉強するん嫌やぁ~!」っとなるんだったらそれまでになるんですが、それだけ飽きもこない深い業界やし、面白いと思うんだなぁ~♪。

これから建築を目指す人にひとことをお願いします

「建築」の仕事っていいよぉ~♪。

なんて、勧めはしませんっ(笑)。

「建築」といってひとくくりに言っても、実際はたくさんのジャンルに分かれていきます。

目指しているうちにどんな仕事に分かれているか、そしてどんなものが自分が興味あるのかを探すといいかな。

自分自身が「建築」に携われたらなんでもいいと言うスタンスで仕事を始めて、現在は多少なりとも「建築」の仕事を「選択」できるようになってきています。

そうすると、「建築」の仕事の中で特に好きなジャンルの仕事と言うものがあったりするので、ぜひ「建築」の仕事をしているだろうなっと思う人の話しの中で、色々な価値観や仕事内容が聞いてみるのもひとつかと思います。

中学生へのメッセージをお願いします

どんな勉強や体験もいずれは「仕事」に繋がっていきます。

特に建築士試験においての計算問題は、中学で習う知識が割と出てきます。

「連立方程式」とか「熱量」とか(笑)。

逆に「なんで建築を目指したいの?」っと本人に質問した時に、「かっこいいと思った。自分で作ったものがずっと残る、将来は監督をしたい」っと言う事だったんで、この内容から推測すると・・・。

  1. 建築士として設計をする
  2. 職人として建築物を作っていく
  3. 施工管理としてちゃんとした建築物になるようにしていく

なので、大きく3つくらいが考えられます。

特に、今はもっと絞る必要もないし、もっと言えばしっかりと勉強して、将来はどの選択肢も自分で選べるようになったら、いいですもんね。

あと少し、本音を言うと「CADで図面が書ける」けど「パソコンのスキルがない」っと言う年配の建築士もおられるし、あと人と関わりたくなくて黙々と図面を書いている方が向いていると自分で言っている人もおられます。

今の時代だったら、そう言うタイプもギリオッケーなんかなっと思うんだけど、だんだんと「これしかできない」っと言うのは、堅気の職人さん以外は、それではダメではないかなっと言うのが持論。

AI化が進んでいく時代の中、ITの知識はもちろん、その反対の人とのコミュニケーション能力も大事じゃないかなぁ~っと考えます。

なので、今は勉強するのも友達遊ぶのも家族の中でコミュニケーションを取るのもゲームしたりマンガを読むことも全てにおいて、将来的には役に立ってくるものだと思っています。

ぜひ、これからも色々な知識を得たり、体験をしていってくださいね♪。

・・・という訳で、ここまでが中学生の男の子からの質問っ。

でもっ!

最後は、少しだけ勉強しちゃいましょう(笑)。

一級建築士試験の平成30年度の問題より

問題形式には今回はしないんですが、平成30年度の計画の1番最初の問題が法律の虫食い問題だったんです。

赤字のところが虫食いの答えだったんですが、最後に載せておきます。

建築士法第2条の2において、「建築士は、常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、建築物の質の向上に寄与するように、公正かつ誠実にその業務を行わなければならない。」とされている。

また、同法第21条の4において、「建築士は、建築士の信用又は品位を害するような行為をしてはならない」とされ、同法第22条第1項においては、「建築士は、設計及び工事監理に必要な知識及び技能の維持向上に努めなければならない。」とされている。

これが、建築士の仕事を法律的に表現すると・・・ですね♪。

どんな建築士さんになるのかとても楽しみですっ♪。