目次
出題の傾向
基礎は大事ですからねぇ~。それは勉強においても建築物においてもですが。
一級建築士では「基礎と地盤」の範囲は、近年では2問出題されることが多いです。
二級建築士では、毎年1問ですが、少し問われ方の切り口が違うような気がします。
今回は、「基礎部材の設計」において一級建築士寄りで書いてみます。
覚えておく要点
基礎の分類
基礎とは、直接基礎と杭基礎に分かれます。あとはそのふたつを用いた併用基礎ですけどね。
こんな感じねっ。
そして今回は、基礎の中の「直接基礎」ですが、これまた「フーチング基礎」と「べた基礎」のふたつに分かれます。
この辺りは、製図試験において一級建築士もRC課題の二級建築士も関係しますので、しっかりとイメージは頭に入れておきましょうね。
フーチングって何?
柱や壁の下の基礎の下に設けられる広がっているところだよ。
基礎部材の設計
まずは「接地圧」を求める際に考慮すべき荷重を・・・。
ちょ、ちょっと待ってぇ~!その前に接地圧って何?
そうだねっ!そこから説明するねっ♪
「接地圧」という表現で、試験では今までは出題されていますが、「地反力」言う言葉でも表現できますので、ここはひとつ構造力学っぽく「接地圧」を考えてみませんか?
土に埋もれているので、基礎は「固定端」ですっ!
という事は、上部構造から受ける外力は軸方向力・水平力・曲げモーメントです。
そして構造力学には、「反力」があるという事は「外力」も存在します。
それでは、改めて「接地圧」を求める際に考慮すべき荷重を一覧表にして書いてみますね。
- 上部構造から伝達される軸方向力
- 上部構造から伝達される水平力
- 上部構造から伝達される曲げモーメント
- 基礎の自重
- 基礎スラブ真上の埋め戻し土の重量
この一覧表はもう一度後で使いますっ。
フーチングに作用する外力や反力は、5種類考えられることになりますね。
実際に問題を解いてみましょう!
実は、一覧表のそのままの文面表現で、平成15年度から正しい枝では出題されていますが、もう少し言い回しを変えての一級建築士平成17年度からの出題です。
基礎に作用する固定荷重については、上部構造に作用する場合に準じて求めるほか、基礎スラブ上部の土被り重量も考慮する。
「表現は少し違うけど、一覧表の荷重が全部入っているね」
では、基礎スラブに対しての接地圧を考えてみましょう!
ここで、登場してもらうのは「接地圧くん」ですっ!
下から一生懸命支えているのは、この下手絵で伝わるでしょうか(笑)。
今は、靴を支えてますが基礎スラブを支えてると考えてくださいね。
当たり前の言葉になりますが、「下から支えているのは上からの力」です。という事は一覧表の中で考えられるのは…。
- 上部構造から伝達される軸方向力
- 基礎の自重
- 基礎スラブ真上の埋め戻し土の重量
これらを合わせてしまったのを合力Nと表わすと…。
合力N=軸方向力(N’)+自重(WF)+埋め戻しの重量(WS)となり、
これが、接地圧くんが頑張っているパワー(地反力)(σe)となります。
あれっ?せっ、接地圧くんが・・・タコになって頑張ってる(笑)。
接地圧くん:「だっていっぱいの手で頑張らないと…(汗)」
さっ、真面目なイラストを書いておきます(笑)。
もう、接地圧くんは消えてしまいましたが(タコの手の名残りが…。)、何となくイメージはできるでしょうか?なかなか文面で表現するって難しいですね。何度か最初から読んだりしてなんとかここまでクリアしていただけたらありがたい…。
いよいよ、本題に入っていきます
すみませんっ!こんだけ書いててまだ肝心な部分に入っていなかったんです(苦笑)。
接地圧くんのパワーの求め方(σe)は、わかりましたでしょうか?
では、次に行きましょう。
それでは、接地圧くんに負けない基礎のスラブを構造設計する時、あなたは「埋め戻しの土」や「スラブの自重」を頼りますか?
いやいやっ、基礎のスラブだけで耐えれるような強いスラブを設計してくださいね。
考える時は、接地圧くんが反力ではなく「外力」として考えて、その外力に耐えれるスラブの部材応力算定をしてくださいね。
少し難しく表現したものとイラストを書いておきますね。
では、この問題をやってみましょう!
一級建築士試験平成26年度からの出題です。
直接基礎の基礎スラブの部材応力算定用の設置圧については、一般に、基礎スラブの自重は考慮しなくていい。
「接地圧くんに負けないように、そして自重や埋め戻しに頼らない基礎スラブの部材応力算定をしようね。」
ここまでのまとめです
どうしても記事が長くなるので、2回に分けて書かせてください。
接地圧くんのくだりが長いためかどうも記事が予定より長くなってしまったのですが、ここを理解しておいてもらえると、続きで書きたいことがよくわからんくなってしまうような気がしたんです。
今までの過去問題でししたら、この記事の範囲でも十分に対応できます。
しかし、一級建築士の試験勉強はいつも書いていますが「質」です。
もう少し、自分が伝えたいことがあるのなら伝えるべきだと思っています。ぜひ、近々アップしますので、そちらも読んでくださいね。