法規

《いつなる風》建築士試験における高さ制限(別表3編)

高さ制限2

はじめに

今から、高さ制限の話しに入っていく訳なんですが、建築士試験において高さ制限の計算問題については、二級建築士も一級建築士も1問ずつ出題されます。

じゃあ、最悪この問題を諦めちゃおうかなぁ~、計算する時間もかかることだしぃ~。

じゃないっ!

そうではないですよっ!。二級建築士で言うと、計算問題だけではなく文章問題も出題されるし、毎年1問目(平成30年度は1問目)か2問目にも絡んでくることもあります。

一級建築士も最近では、こんなとこにぃ~!って散りばめられている時もあります。

例えば、以前の記事でも触れていますが、平成30年度でも出題されていました。

高さに関する計算問題は時間がかかるのではなく、むしろ理解してしまったら…楽しい…っは、言い過ぎかな(苦笑)。

個人的には、難しい問題ほど「ええ問題やなぁ~」っと思いながら解いていて、選択枝にその数字があったら嬉しかったけどなぁ~。

特に、二級建築士の高さに関する問題は「一級建築士より楽しい問題(難しい問題)」になっているような気もしますので、理解してしまったもん勝ちですよ。

ぜひともこのジャンルの問題はクリアできるようにしちゃいましょうっ!

サクラ
サクラ
サクラも頑張りますっ♪
サク
サク
後で(多少は)早く計算できる裏ワザを教えてあげるね。

法56条第1項第一号は道路斜線のお話し

サクラ
サクラ
道路斜線って言うくらいだから”ナナメの線のことだねっ!”
サク
サク
そうだよっ、サクラ♪。まぁ、厳密に言うと道路斜線だけはいつまでもナナメの線ではないんだよ。(…あんまり、試験には支障がないんだけどね…。)

・・・とまぁ、とは言ったものの、二級建築士(特に)でも一級建築士においても支障が全くないという事ではないので、道路斜線は細かくゆっくり説明をしていきたいと思います。

まずは、どんな条文かな?

建築基準法第56条第1項第一号だけ抜粋するとこんな感じ

別表第(い)欄及び(ろ)欄に掲げる地域、地区又は区域及び容積率の限度の区分に応じ、前面道路の反対側の境界線からの水平距離が同表(は)欄に掲げる距離以下の範囲内においては、当該部分から前面道路の反対側の境界線までの水平距離に、同表(に)欄に掲げる数値を乗じて得たもの

そんなにビックリするほどは多くないんだけど、実際に問題を解いてみると「道路斜線」・「隣地斜線」・「北側斜線」の中でも「道路斜線」でつまずいて、「イヤぁ~!」ってなってしまう人もいるので、ここは「フフン♪」って解けるように理解しちゃいましょう!

イヤイヤ

…こんなん思わないで、「フフン♪」って思えるようになりましょうね。

別表第3とは?

条文の冒頭の別表第3を実際にお手元の法令集で見てください。

別表3

では、この別表3の内容をまとめていきますね。

住宅:1.25L その他:1.5L

これが超・・超基本っ!。Lは距離のことなんですが、どう測っていくかはのちほど。(別記事になります。)

住居系は1.25、その他(商業系・工業系)は1.5をかけて(乗じて)いきます。

これでまずは道路斜線の計算式がわかりましたね。

(は)の適用距離

サクラ
サクラ
適用距離ってなに???
サク
サク
最初に厳密にはいつまでもナナメの線じゃないって言っただろ?。ナナメの線が適用される距離って言うのがあるんだ。
建築士適用距離

この適用距離は、(ろ)の容積率によって適用距離が違います。

では、この容積率はどうやって見分けるのか?

これについては、容積率(建築基準法第52条)に触れた記事を書いていないので、ここで説明するには横にそれてしまうので、容積率によって適用距離が決まるくらいで理解しておくといいかと思います。

備考の中に建築士試験におけるポイント(一号)

備考には、ごちゃごちゃ書いていますが、試験に関係あるのは一号。

備考
一 建築物がこの表(い)欄に掲げる地域、地区又は区域の2以上にわたる場合においては、同欄中「建築物」とあるのは、「建築物の部分」とする。
二 建築物の敷地がこの表(い)欄に掲げる地域、地区又は区域の2以上にわたる場合における同表(は)欄に掲げる距離の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
三 この表(い)欄一の項に掲げる第一種中高層住居専用地域若しくは第二種中高層住居専用地域(第52条第1項第二号の規定により、容積率の限度がう40/10以上とされている地域に限る。)又は第一種住居地域、第二種住居地域若しくは準住居地域のうち、特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内の建築物については、(は)欄一の項中「25メートル」とあるのは「20メートル」と、「30メートル」とあるのは「25メートル」と、「35メートル」とあるのは「30メートル」と、(に)欄一の項中「1.25」とあるのは「1.5」とする。

用途地域が2つ以上と書いていますが、試験では分かれても2つだけしか今までは出題されていません。

サクラ
サクラ
じゃあ、住居系と商業系にまたがっていたら、1.25と1.5のどちらをかけたらいいの?
サク
サク
それがこの一号で、試験で言うと求めるA点がある用途地域で計算したらいいんだよ。

その他の備考については、出題されたことがないので(たぶん)、もし何か「んっ?」ってなる問題が出たら「何か備考に書いているかなぁ~」くらいでいいかと思います。

裏ワザ(!?)簡単な計算の仕方

サクラ
サクラ
さっき、簡単に計算できる方法を教えてくれるって…教えてよぉ~!
サク
サク
そうだねっ。じゃあやってみようかっ!
サクラ
サクラ
うんっ♪

ここから先は、建築士の試験では電卓が持ち込めないため、計算問題をする時は、自力でひっ算、暗算をしていかなければならなく、せっかく理解しててもここで間違えるともったいないので、こんな方法はどうですか?っと言うものです。

・・・もしかしたら、ご存知で実践されている方もいるかもですが、どうぞこの後の寸劇にお付き合いください(笑)。

サク
サク
では、まずLが16mで住居系だったとするね。その計算式は?
サクラ
サクラ
16×1.25!(ひっ算めんどくさい…。)
サク
サク
じゃあ、16の半分は?
サクラ
サクラ
サク
サク
その半分は?
サクラ
サクラ
サク
サク
じゃあ、最初の16に4を足すと?
サクラ
サクラ
20・・・。
サク
サク
それが16×1.25の答えだよ♪
サクラ
サクラ
・・・???

わかりましたか?

1.25をかけようと思えば、「半分のそのまた半分を足す」と覚えておけばいいんです。

と言っても、最初の数字が奇数だとちょっとややこしくなるけど、その時でも「半分の半分を足す」方が計算はしっかりしてくるかと思いますのでぜひ♪。

サクラ
サクラ
じゃあ、16×1.5はどうするの?
サク
サク
16の半分は?
サクラ
サクラ
8・・・。
サク
サク
それを足すと?
サクラ
サクラ
24っ!すごいっ!

そうなんですっ!

1.5をかけようと思えば、「半分を足す」

これだけなんでぜひ、クセづけてみてくださいね。

まとめ

今回は、道路斜線の中でも別表3で終わってしまった・・・。

この高さ制限の話しは、実はかなり長旅の記事になっていくつかに記事が分かれていきます。

本音を言えば、長くなるのがわかっていたので書き始めるのに勇気がいりました(笑)。

だけど、特に二級建築士を受験の方はそこまで高さ制限に固執しなくても他で十分カバーできるので、この部分を後回しにしてしまう人が多く知っているので…。

ホントはこの問題の方が理解してしまったら、簡単で楽しくて計算問題だけではなく関係する文章問題も簡単になるから先入観で苦手だと思っている人には、捨ててしまう問題ではないよっと言いたくて…。

よく二級建築士試験を受験している人に教えてと言われるので、(かなり邪道な教え方ですが)、色々な過去問題をしているうちに「法令集」を見ないで解いている自分に気づいて喜んでくれたりします。

ぜひ、1.25は「半分の半分を足す」、1.5は「半分を足す」これだけでもマスターするとグンっとスピードが上がるし、知らなかった人は勉強する際にはお役立てくださいね。