建築士試験の勉強法

【法27条を読み解くために】耐火建築物と耐火構造建築物の違いは?

耐火建築物と耐火構造建築物の違いは?

さぁ、どんどんややこしい世界に飛び込んでいきそうなんですが、今は理解をすると言うよりも「へぇ~、こんなところに書いてあるんだぁ~!」とか「あっ、ホンマや!確かにそう書いているわぁ~!」とかそんなレベルで大丈夫です。

なので、必ず建築基準法を片手に持ちながら、そしてセットアップをしながら読んでくださいね。

「結局のところどないやねん」っと思っている方。

その考え方・・・嫌いじゃないですっ(笑)。

今回の記事は、まあまあ長いです。

結論だけでも覚えておけば十分です。以前の記事でも書いたのですがこのふたつの建築物は、ほぼそっくりさん。

良かったらここをクリックしてまとめだけでも読んでみてね。

さぁ、以前書いた記事の内容も踏まえて少しずつ進めていきます。

法27条の性能項目って何?

法第27条の性能項目・・・つまり何のためにこんな法律を作ったのかの「目的」を定めています。

第1項の目的(性能項目)

第1項の目的(性能項目)は、いっぱいの不特定多数の人がいる特殊建築物だから、安全に避難が出来る建物になるように、主要構造部と外壁の開口部に要件(条件)をつけよう!

この「要件」と言うのが「令」で定める「技術的基準」です。

その具体的には「大臣が告示で定める仕様規定」か「大臣認定」です。

「大臣認定」は個別で認定されるので「個別認定」とも言います。(※他にも言い方あります)

サクラ
大臣に個別で認定してぇ~!って言うから個別認定とも言うんだねっ。

ここは建築基準法ではよく定めてある表現なのでもう一度書きます。

国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたもの

告示又は認定

これだけ言葉を短くすると、読みやすくなりませんか♪。

第2項と第3項の目的(性能項目)

ほらっ、別表1(5)と(6)の建物って、火事になったら周りの建物が危なさそうな用途だから耐火建築物(2項)とか準耐火建築物(3項)にしよう!

ってことで、定められたものなので、第1項とは目的が異なるってことがポイント。

では、なぜ法第27条第1項が耐火建築物や準耐火建築物のそっくりさんって言っているのか・・・。

それは、第1項の後半部分の外壁の開口部がポイントとなってきます。

第27条第1項後半部分について

まずは、条文を書きだしてみますね。

(耐火建築物等としなければならない特殊建築物)(P52)

第27条 (省略)・・・かつ、その外壁の開口部であって建築物の他の部分から当該開口部へ延焼するおそれがあるものとして政令で定めるものに、防火戸その他の政令で定める②防火設備(その構造が遮炎性能に関して政令で定める③技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法④を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものに限る。)を設けなければならない。

まずは、このリンクをセットアップしておくといいかな?。

  • ①:施行令第110条の2(どんなところ?)(P278)
  • ②:施行令第109条(どんな防火設備?)(P275)
  • ③:施行令第110条の3(防火設備の構造はどんな風に?)(P279)
  • ④:平成27告示255号第2(防火設備の構造を告示では具体的にこんな感じで)(P1412)
サク
別に赤色とか青色に限らずに違う色でお互いに色を塗っておくとか自分なりに工夫してみよう♪

で!。

大切なことは、条文の中に書いてある「延焼するおそれがあるもの」ってところ!。

例えばだけど、建築基準法第2条第九の三号の準耐火建築物の条文の最初を書いてみますね。

建築基準法第2条第九の三号(P13)

九の三 準耐火建築物 耐火建築物以外の建築物で、イ又はロのいずれかに該当し、外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に・・・(以下、省略)

ほらぁ~!。

若干、言葉が違うでしょ?

  1. 法第27条・・・延焼するおそれあるもの
  2. (例)法第2条第九の三号・・・延焼のおそれあるもの

個人的には、「の方」・「の方」と呼んでいます(笑)。

関連記事☞【法27条を読み解くために】建築基準法における火災を勉強しましょう

の方」は、キチンと建築基準法第2条第六号(P11)で定義付けされています。

では、「がの方」はどこに・・・それこそが政令で定められている・・・つまり施行令第110条の2と言う訳なんで、そちらをチェックしてみましょう。



①建築基準法施行令第110条の2(P278)

まだまだ、広がっていきます・・・(笑)。

(延焼するおそれある外壁の開口部)

第110条の2 法第27条第1項の政令で定める外壁の開口部は、次に掲げるものとする。⑤

一 延焼のおそれのある部分であるもの⑥省略⑦

二 他の外壁の開口部から通常の火災時における火災が到達するおそれがあるものとして国土交通大臣が定めるもの⑧(前号に掲げるものを除く。)

さっ、まとめるとするかぁ~!。

⑤:次に掲げるものとする。

ここで、読み間違えてはいけないのは・・・次の各号のいずれかに該当する」ではないということっ。

つまり、「一号+二号」っという事ですよぉ~!。

⑥:延焼のおそれのある部分であるもの

はいっ、ここでも出ました「の方」がっ!

気になるようだったら、法2条第六号にジャンプできるようにセットアップしててもいいけどねっ♪(試験的にはそんなに影響はないですが・・・。)

⑦:省略

「法第86条の4第1項各号のいずれかに該当する建築物の外壁の開口部を除く」っと言う条文を今回の記事では説明しないので、省略しました。

まっ、一部除外されているものがあるんかなぁ~ってそんな程度で大丈夫です。

⑧:国土交通大臣が定めるもの

どこに定められているか・・・それは「平27告示255号第」(P1412)です。

・・・どんなんかなぁ~って見ちゃいました(笑)?。

初めてここを見た方は、「うぇ~!」ってなったんでは(笑)?。

ここから、どんな感じで試験に出てくるんだろう~。そしてここをしっかりと理解する必要があるのか・・・そんな気持ちでいます。

そもそも「延焼するおそれがあるもの」・・・この言葉の意味をフワッと考えると、言葉通り法27条第1項の目的「安全に避難」が出来ればいい訳だから・・・逃げている時に下からの炎が逃げているところの開口部に入ってくるようなそんな延焼をしそうなおそれ(可能性)のあるもの・・・。

それが、「延焼するおそれがあるもの」・・・そんなイメージでいいんではないでしょうか。

ただ、もし「平27告示255号第」でチェックするとしたら、法第27条第1項の建物全てではないんです。

よくよく見ると、それは2種類限定とされていますよ。

第3 令第110条の2第二号に規定する他の外壁の開口部から通常の火災時における火災が到達するおそれがあるものは、第1第1項第三号に掲げる建築物(1時間準耐火に適合する準耐火構造(耐火構造を除く。)としたものに限る。)(ひとつめ)及び特定避難時間倒壊等防止建築物(法27条第1項第一号に該当する特殊建築物で、令第110条第一号に掲げる基準に適合するものとして同項の規定による認定を受けたものに限る。)(ふたつめ)の・・・(以下、省略)

ひとつめ:第1第1項第三号に掲げる建築物

これって、告示のことですからねぇ~。そこだけ注意して読んだら「あっ、ここのことかぁ~!」っと見つかるのですが、この部分はまだこのブログでは説明していません。

ただ、準耐火建築物って以前の記事で書きましたが、メジャー(一般的)なのは、「45分耐火の準耐火構造」なんです。

関連記事☞【法27条を読み解くために】耐火建築物と準耐火建築物について

ここにも書いたのですが、45分よりも少し頑張る「1時間耐火の準耐火構造」です。

しかも、学校

しかも準耐火構造・・・木造にも出来るので・・・。

通称「木三学」

えぇ~!。初めて聞いたって方っ、「いつなる流」ではありませんっ!。

本当に実務でも、言われている通称「木三学」です。

最後のまとめの時にも出てきますので、どうぞお見知りおきを。

ふたつめ:特定避難時間倒壊等防止建築物

カッコ書きの中の(法27条第1項第一号に該当する・・・)を照らし合わせてみると「3階以上」っという言葉にたどり着きます。

なので、この部分をまとめると・・・。

「3階建て以上の特定避難時間倒壊等防止建築物」となります。

従って、2号は「木三学」と「3階以上の特定避難時間倒壊等防止建築物」限定という事になります。



でも、まとめちゃうと・・・。

一号では、全ての建築物が対象で、二号が建築物が限定されていてその2つ以外は、「延焼のおそれのある部分」の「の方」で、今までとなんら変わりないという事。

試験でもここまで、突っ込んで問われた問題はないかと思います。

もし、見つけたらすぐに記事にするからさっ♪。

とりあえずは・・・。

「延焼するおそれがあるもの」は「延焼のおそれのある部分」のそっくりさんだという事。

の方」は「の方」のそっくりさん

どこが違うかと気になったらまたこの記事を最初から読んでみてね。

さっ、ずいぶんと長くなったけど続きを。

②施行令第109条(P275)

どんな防火設備かってこと。

これは、もうそのまま条文でチェックすればオッケー。

③施行令第110条の3(P279)

はぁ~・・・。

やっと今回の記事の言いたかったところに来たぁ~!。

やっと・・・やっとです(笑)。

では、条文を書いてみますね。

第110条の3

(法第27条第1項に規定する特殊建築物の防火設備の遮炎性能に関する技術的基準)

第110条の3 防火設備の遮炎性能に関する法第27条第1項の政令で定める技術的基準は、防火設備に通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後20分間当該加熱面以外の面(屋内に面するものに限る。)に火炎を出さないものであることとする。

赤字にしちゃったけど、一般的な防火設備・・・いわゆる・・・。

法第2条第九号のニロに規定する防火設備

サク
この表現は、建築基準法の中でちょくちょく登場しているよ♪。

この一般的な・・・いたってフツーの防火設備の遮炎性能はどうなっているのか・・・。

法第2条第九号のニロ(P12)の中に書いてある遮炎性能の技術的基準は、施行令第109条の2(P275)となります。

どうぞ、見比べてみてください♪。

(屋内に面するものに限る。)・・・この部分だけの違いなんです。

以前の記事にさりげなく書いているのですが、今回の防火設備は、一般的な防火設備の両面20分ではなく、この一文だけで片面20分という事が読み取れます。

以前の記事☞【法27条を読み解くために】建築基準法における火災を勉強しましょう

(この記事で少し触れています)

④平成27告示255号第2(P1412)

どんな防火設備にするのか具体的に定めたものです。

ちょっとチェックしてみて♪。

びっくりするくらい、たいした事書いてないからっ(笑)。

まとめ

いやぁ~!。今回は(も!?)長くなってしまった。

耐火建築物と耐火構造建築物の違いは?

このタイトルから始まったこの記事・・・。

まとめると・・・。

耐火構造建築物は耐火建築物のそっくりさん

って事。

びみょ~~~に違うだけなんです。

まとめにダイレクトに飛んできた方もおられるでしょう。最初から細かく読んでいただいてここにたどりついた方もおられるでしょう。

「一周回って結局のとこほとんど同じじゃん♪」

そう思ってもらえたら、それで建築士の今までの過去問題は対応できます。

ここまで書いてて言うのんなんなんですが・・・まだこの法第27条・・・。

法改正されそうです(笑)。

なので、今のところは過去問題が解けるレベルに達していればそれで大丈夫っ♪。

「備えあれば憂いなし」・・・こんな言葉はここで使うものではないのかも知れないですが、どうしても気になるという方のためにも法27条の記事は、もう少し書き続けていきます。

ただ・・・最後は、「いつなる流」の考え方で簡単に書いちゃいます(笑)。

今回は、長いややこしい記事になったのですが、もうしばらくお付き合いのほどよろしくお願いします。