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快適な温度って実は正解がないんです
夏場のオフィスなどでよく見かける「空調戦争」。
比較的、男性は暑がりで女性は寒がりでこの感覚の差がエアコンのリモコン操作での設定温度の問題が無言の中、勃発するようです。
先に書いちゃいましたが「快適な温度というのは正解がないんです!」
年齢・性別・体型やましてや着ている服でも変わってくるのは何となく想像できますよねっ♪。
そもそも快適な温度ってどういうこと?
寒かったらブルブルと震えて筋肉から熱を作り出そうとしたり、鳥肌を立てて熱を逃がさないようにしたり、暑かったら汗をかくことで熱を調整しようとします。
つまり、快適な温度というのは自律神経での調整を必要としない温度のことをいうんです。
では、ここから少し建築士よりのちょっと難しい話しとなります。
新有効温度ET*とは
他にも色々な温熱指標があるのですが、今回はこの新有効温度ET*に絞って書いてみますね。
まずは、「新有効温度イーティースター」と読みます。
有効温度ETと区別するために「スター*」をつけましたよっていう感じかなっ。
新有効温度ET*とは、温熱4要素(気温・湿度・風速・放射)に相対湿度50%の時の任意の着衣量と代謝量を加えて6要素としたものです。
なんか難しい言い方になってしまっているなぁ~。
・・・もう一度、誇張して書いてみますねっ。
新有効温度ET*とは、温熱4要素(気温・湿度・風速・放射)に相対湿度50%の時の任意の着衣量と代謝量を加えて6要素としたものです。
このくらいでいいんちゃうかなぁ~。
でもねっ、この新有効温度ET*は、「快適だなぁ~♪」とかの比較ができないの。
なので、ある一定の状態を標準化して比較できるようにした新有効温度ET*を「標準新有効温度(SET*)」と言うんです。
そしてっ!
ASHRAEと書いてアシュレイと読むんだけど、アメリカ暖房・冷凍空調学会は、たくさんの人が(80%の人)、快適だなぁ~っと思える標準新有効温度は・・・さぁ、何度でしょう?。
【とつぜん、クイズ】
ASHRAEの定義している標準新有効温度(SET*)の範囲は何度から何度?
(ヒント)座っている状態(椅座位)で、人が空気の動きを感じない気流(静穏気流)の時です。
ここはぜひっ、正確な温度を覚えていてほしいのでクイズ形式にしてみました。
正解は・・・。
22.2~25.6℃
ここで、問題を1問やってみましょう
平成23年度一級建築士試験からの出題です。
SET*(標準新有効温度)が20℃の場合、温冷感は「快適、許容できる」の範囲内とされている。
この範囲に入っていないから、不適当な文なんだけど・・・ちょ、ちょっと待って!。
だからっと言って空調の温度の範囲ではないですからね~。
このクイズのヒントにも書いたのですが、標準新有効温度(SET*)は座っている状態(椅座位)で、人が空気の動きを感じない気流(静穏気流)の時の温度ですので、こちらも少し頭に入れておくといいかもですね。
中央管理方式の空気調和設備の基準
ビル管理法と建築基準法(施行令129条2の6第3項)では、「中央管理方式の空気調和設備の基準」が定められています。
その基準の数値は、いくつか試験を勉強する上では覚えなきゃいけないものがあるんですが、そのひとつの「温度」は「17℃以上28℃以下」と定められています。
では、一級建築士試験の問題をもう1問
少し昔の問題となりますが、平成10年一級建築士試験の問題です。
ビル管理法(建築物における衛生的環境の確保に関する法律)では、新有効温度ET*による課的範囲を23~25℃としている。
きっと、この問題は解けましたよねっ♪。
まとめ
- 新有効温度ET*は6要素
- 新有効温度ET*は湿度は50パーセント
- 新有効温度ET*を比較できるようにしたのは標準新有効温度SET*
- ASHRAEの定義している標準新有効温度(SET*)の範囲は、22.2℃~25.6℃
- 新有効温度ET*は中央管理方式の空気調和設備の基準には関係ない
おまけ
試験には出題されていないですが、環境省が推奨するエアコンの冷房時の室温の目安は28℃で、冬は20℃とすると、消費電力が10%~13%ほど削減できるそうです。
もひとつおまけ
ETと言えば・・・。
こんなんでしたっけ?・・・どっか記事の途中で入れようと思ったけどあまりにもヘタ絵だったので、控えさせてもらいました(笑)。