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さぁ、次は隣地斜線のおはなし
ぜひ、ここから読み始めようとしている人は最初から読むのがおすすめです。
今までの記事はおさらいすると、「高さってどこからどこまで測るの?」っていう事と「道路斜線について」を書いてきました。
実際には、道路斜線の内容については、まだ大事なところを話しきれていないのですが、それについては、他の斜線も含めての記事とさせて頂きます。
てことで、今回は2つ目の斜線(建築基準法第56条第二号)の「隣地斜線」です。
建築基準法第56条第二号の内容
二 当該部分から隣地境界線までの水平距離に、次に掲げる区分に従い、イ若しくはニに定める数値が1.25とされている建築物で高さが20メートルを超える部分を有するもの又はイからニまでに定める数値が2.5とされている建築物(ロ及びハに掲げる建築物で、特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内にあるものを除く。以下この号及び第七項第二号において同じ。)で高さが31メートルを超える部分を有するものにあつては、それぞれその部分から隣地境界線までの水平距離のうち最小のものに相当する距離を加えたものに、イからニまでに定める数値を乗じて得たものに、イ又はニに定める数値が1.25とされている建築物にあつては20メートルを、イからニまでに定める数値が2.5とされている建築物にあつては31メートルを加えたものイ 第一種中高層住居専用地域若しくは第二種中高層住居専用地域内の建築物又は第一種住居地域、第二種住居地域若しくは準住居地域内の建築物(ハに掲げる建築物を除く。) 1.25(第52条第1項第二号の規定により容積率の限度が10分30以下とされている第一種中高層住居専用地域及び第二種中高層住居専用地域以外の地域のうち、特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内の建築物にあつては、2.5)ロ 近隣商業地域若しくは準工業地域内の建築物(ハに掲げる建築物を除く。)又は商業地域、工業地域若しくは工業専用地域内の建築物 2.5ハ 高層住居誘導地区内の建築物であつて、その住宅の用途に供する部分の床面積の合計がその延べ面積の3分の2以上であるもの 2.5ニ 用途地域の指定のない区域内の建築物 1.25又は2.5のうち、特定行政庁が土地利用の状況等を考慮し当該区域を区分して都道府県都市計画審議会の議を経て定めるもの
長々と書いてあるんですが、そんなに試験的には難しくなくて。
ここで、隣地斜線の式をまとめちゃいますね。
- 住居系:1.25L+20
- 商業・工業系:2.5L+31
とりあえずこれだけで十分です。
少しだけですが以前、こちらの記事で建築基準法第55条を触れています。
セットアップの仕方(参考)
自分の実際にセットアップしているものを写真撮っておきますね。
参考までに2018年度のオレンジ色の法令集のP74です。
前回の記事でも書きましたが、めくりやすいようにクシャクシャしていますが(笑)。
この程度でいいんではないかと思っています。
それからもう1箇所っ。
二号の「二」のところの「〇印」なんですが、これは「隣地斜線には後退距離があるよ」って言う意味でつけています。
つまり、「一号」にも「〇印」をつけ、まだ記事にしていないですが「三号」には「×印」をつけています。
建築士試験対策として
公式からもわかるように、プラス20や31の直線ありきでの斜線スタートなので、隣地斜線だけで見ると、まあまあ高い建築物が建てることになります。
という事は、二級建築士が設計可能な規模ではなくなる可能性が低くなるので、実際の試験では隣地斜線が高さの限度が解答になる問題は、自分が知っている限りなかったと思います。
一級建築士においても計算問題が隣地斜線の高さが解答になるのもほとんどなかったと記憶しています。
だけどね・・・。
一級建築士はもとより二級建築士試験を受験の方も隣地斜線は理解しておく必要があるのです。
なぜかと言うと・・・。
文章問題で出題されるからなのです。
こんな形で出題されています
では、さっそくですが2問ほどチャレンジしてみましょう。
どちらも平成27年度二級建築士試験からの出題です。
第1問
第二種低層住居専用地域内においては、隣地高さ制限は適用されない。
「条文にも書いていないけど、さっきサクラが疑問を持っていたとこだね。」
第2問
準工業地域内において、高さが31m以下の建築物については、隣地高さ制限は適用されない
「住居系は20m、商業・工業系は31mがプラスされてからの斜線だからね。」
まとめ
いかがでしたでしょうか?
道路斜線と比べて、割とシンプルなんで隣地斜線の方がわかりやすいかと思われます。
さて、次の建築基準法第56条では最後の3つめ「北側斜線」の記事となります。
おまけ
サクラ、解けるようになって良かったですね・・・。
ただ、建築士の試験ではほとんど使うことがないけど、実務では結構この計算方法を覚えておくと便利です。