建築士試験の勉強法

《いつなる風》建築士試験における高さ制限(施行令第2条第六号編)

建築基準法第56条をお話しする前に

建築基準法第56条は、条文タイトルは「建築物の各部分の高さ」です。

なかなか長い条文なんですが、書いてあることは…。

  1. 道路斜線
  2. 隣地斜線
  3. 北側斜線
  4. 天空率など

おおまかに分けてこんな感じかなぁ~。

条文の頭から説明するその前に「高さってどこからどこまで測るの?」っていうところを理解するとわかりやすくなるかな?

てな事で、建築基準法施行令第2条第六号からっ!

建築基準法施行令第2条第六号

建築基準法施行令第2条の条文タイトルは「面積、高さ等の算定方法」。

その中の第六号「建築物の高さ」を分解しながら説明していきますね。

第1項

地盤面からの高さによる。ただし、次の又はのいずれか該当する場合においては、それぞれイ、ロ又はハに定めるところによる。

サク
まずは、ここでの試験におけるポイントは、「原則は、建築物の高さは地盤面の高さ」っていうことだねっ。

そうっ、もう一度書きますね。

「原則は、建築物の高さは地盤面の高さ」…そうっ「原則」はねっ。

「原則」があるのなら「例外」があるという事。

それが青文字で書いている「ただし書き」。

まぁ、そんなんはわかるけどねって言う人っ。ここ大切なんでゆっくり丁寧に書いていますので、もうしばしお付き合いください。

では、ただし書きに書いてある「イ」「ロ」「ハ」を順に説明を。

第ニ号の

法第56条第項第の規定並びに第130条の12及び第135条の19の規定による高さの算定については、前面道路の路面の中心からの高さによる。

サク
ひとまず、ここでのポイントは、地盤ではなく路面の中心から測る条文があるということだね。

路面の中心から測る条文は3つ。

  1. 法56条第1項第一号
  2. 第130条の12
  3. 第135条の19

とりあえず法56条第1項第一号は何についてかというと、「道路斜線」です。

なので、道路斜線で建築物の高さを測る時は、「路面の中心から」となります。

あとの2つの条文も建築士試験においては関係する部分もあるけども、ひとまずここを覚えてくださいね。

第ニ号の

この「ロ」がただ条文をよむだけだと、ややこしいんですがわかってしまうと「なぁ~んだっ♪」と思う条文

まずは、書きだしてみますね。

法第33条及び法第56条第1項第三号に規定する高さ並びに法第57条の4第1項、法第58条及び法第60条の3第2項に規定する高さ(北側の前面道路又は隣地との関係についての建築物の各部分の高さの最高限度が定められている場合におけるその高さに限る。)を算定する場合を除き階段室、昇降機塔、装飾塔、物見塔、屋窓その他これらに類する建築物の屋上部分の水平投影面積の合計が当該建築物の建築面積の8分の1以内の場合においては、その部分の高さは、12メートル法第55条第1項及び第2項、法第56条の2第4項、法第59条の2第1項(法第55条第1項に係る部分に限る。)並びに法別表第4(ろ)欄2の項、3の項及び4の項ロの場合には、5メートル)までは、当該建築物の高さに算入しない。

サクラ
なんかややこしそう・・・。

読みやすいように少し色分けをしてみましたので、ではこちらを順番に♪

(赤文字部分)法第33条及び法第56条第1項第三号…除き、

この2つの条文はさておき・・・っと言う意味です。

これから高さに入れない部分の条件を書いていくけど、この2つの条文は関係ないからねぇ~っと言う意味です。

  1. 法33条(避雷設備)
  2. 法56条第1項第三号(建築物の各部分の高さ)の条文の一部「北側斜線」のこと

北側斜線ってなんのためにあるのか?・・・それはその建物の北側に住んでいる人にとっては「南」となる日当たりの邪魔にならないようになんです。

そんなイメージを持っていれば十分です。

この2つ何かしら共通するものがあるんです~♪

今度はイラストにしてみますね。

この2つに共通しているキーワードは「自然」

この2つは無関係になるんだけど何が?って言うのは、この次から。

(緑文字部分)階段室、昇降機…12m…参入しない

この緑部分には2つの条件が書かれています。

その2つの条件に当てはまるとその部分の12mを高さから引くことができる…つまり参入しないということです。

  1. 用途・・・階段室、昇降機塔、装飾塔、物見塔、屋窓などであること。
  2. 面積・・・上記の用途の面積(水平投影面積)が建築面積の8分の1以内であること。

で、ここでさっきの赤字部分の説明っ!

例えば、雷が関係する法33条の条文を書きだしてみますね。

高さ20mをこえる建築物には、有効に避雷設備を設けなければならない。(以下省略)

20mを超える建築物には避雷設備がいるんだけど、この高さはいくら用途が階段室とかであっても、いくら建築面積の1/8以内であっても、12mまでの不算入する緩和は使えないということ。

ちょっと雷様の気持ちを聞いてみましょうね。(このセリフ前にも書いたけどね。)

「この建物は、階段室で、しかも水平投影面積が建築面積の1/8以内だから、12m緩和が使えるから、高さが低くなるから雷を落とすのはやめておいてやるかぁ~!」

・・・なんて、いう訳がないっ(笑)!

そう意味で自然のものは、融通が利かないので緩和規定がないですよっと、感じておくとあとあと他のところでも理解がしやすいかと思います。

平成30年度学科(法規)

↑平成30年度の問題にも出題されました。

(青文字部分)法第55条・・・5m

これは簡単っ。

雷さまと太陽さんは除いて、用途条件と面積条件がそろえば12mは高さに参入しないでいいよっという条文。

ただ・・・一部の条文は5mの高さ不算入だよ・・・と言うのが、この青文字部分

いくつか条文が書いてあるのですが、その中でも試験に出るのが「建築基準法第55条」

建築基準法第55条は、「第一種低層住居専用地域又は第二種低層住居専用地域内における建築物の高さの限度」・・・長いっ(笑)。

通称、「絶対高さ」

原則だけ簡単にサクに説明してもらうと…。

サク
低層住居地域の建築物は、絶対に10mとか12mとか高さを超えたらダメなんだよ。
サクラ
っていう事は・・・もしかして12mの高さ不算入はやりすぎって事? 
サク
そうそう。だからこの条文は5mまでの不算入にとどめているんだよ。

こんな感じで伝わるかなっ。

第ニ号の

棟飾、防火壁の屋上突出部その他これらに類する屋上突出部は、当該建築物の高さに参入しない。

↑棟飾りの例として風見鶏とかねっ。

※試験では、「風見鶏」と言うような表記では出題されませんので、言葉探しをするようにチェックすれば十分に対応できます。

まとめ

パッとみぃはややこしいんだけど、実はそうでもない条文。

説明するのもややこしかったけど、なるべく頑張ってみたんだけどいかがでしたでしょうか?

簡単に…本当に簡単にまとめるとこんな感じっ。

  1. 雷さまと太陽さん・・・高さ不算入ゼロ
  2. 用途が人が住まないような全体建築面積の1/8以内のような小さいもの…高さ不算入12mまで
  3. 低層住居地域の絶対高さなど・・・高さ不算入5m

では、最後に一級建築士平成30年度に出題された問題です。

「北側高さ制限」において、建築物の屋上部分に設ける高さ4mの階段室の水平投影面積の合計が当該建築物の建築面積の1/8である場合においては、その部分の高さは、当該建築物の高さに参入しない。

正しいと思った人、誰が参入しないでいいって言ったぁ~!って太陽さんに怒られそうですね。