建築士試験の勉強法

有効細長比と細長比って微妙に違うんだよねぇ~。

一級建築士試験受験の方からこんな質問がありました

※質問は、顔見知りな人だけ答えてます…っと言うか一緒に考えているので、会話をしながら「あーだこーだ」言える人のみとなりますので、よほどでない限り、ご対応が難しいのでサイトでのお問い合わせによるご質問はご了承くださいませ。

記事の中での「ここ間違ってるのでは?」みたいなお問い合わせは、大歓迎ですっ♪。

質問内容は?

一級建築士試験平成22年度からの出題です。

有効細長比λが小さい筋かい(λ=20程度)は、有効細長比λが中程度の筋かい(λ=80)に比べて変形能力が高い。

正しい枝なんですが、質問内容は「有効細長比が小さかったら、なんで変形能力が高いねんっ?」っという質問でした。

覚えておく要点

先に答えを書いてしまいますねっ!

建築士の必殺の覚え方ですっ!

どの科目においてもまあまあ使える覚え方です!

それは…。

「比」とか「係数」って付くと大抵は、「小さい」ほど「良いこと」があるという事です。

大抵と書きましたが、例外もありますのでその例外を覚えた方が早いです(ニヤッ)。

例えば…。

二級建築士では「計画」、一級建築士では「環境・設備」で出題される「空調の成績係数」や、

「コンクリートのヤング係数と設計基準強度の関係」とか。

まだ、他にもありますが、圧倒的に「比」や「係数」が付くと「良いこと」が多いです。

ちょっと頭に入れておくと覚える負担が減りますよ♪。

まぁ、注意するとしたら割とイメージも付きやすいのですが、「セメント水比」と「水セメント比」はどっちが小さい方がいいことあるかなぁ~っとか覚えておくといいですね。

サク

「有効細長比」がさかったら「変形能力が高い」(良いこと)って覚えてても便利だよ。

とは言っても、一級建築士試験において勉強のスタンスは「質」を意識することっ!

なので、頑張って「有効細長比」の根っこの部分から順番を追って書いていきますね。

まずは、「細長比」の定義から

「細長比」とは、「λ」(ラムダ)で表されます。

定義は、「座屈軸についての断面二次半径と座屈長さの比をいう」

公式で表すと…。

公式を見て、まずわかることが「座屈長さlk(エルケー)が大きくなると細長比が大きくなる」と言うことです。

そしてここで、ひとつ難しい言葉が出てきましたっ!「断面二次半径」です。

断面二次半径とは?

定義は、圧縮材や曲げ材の座屈のしにくさを示すものです。

公式は、断面二次モーメントを断面積で除したものの平方根です。

SAKURA

???

 

サク

じゃあ、公式に入れて整理してみようね。

 

長さの要素となるものがひとつなので、単位はmmとなります。

細長比でわかること

さきほどの細長比の公式でもわかるように、大切なのでもう一度書きますね。

「座屈長さlk(エルケー)が大きくなると細長比が大きくなる」という事です。

座屈の性質もイメージしましょう!

ここから先は、H形断面の鉄骨ではなく、H形の「消しゴム」をイメージしてみましょう(笑)。

座屈や変形能力のイメージが付きやすいです。

座屈しやすい(グニャってしやすい)ものってどんなものでしょう?

例えばですが…。

  1. いもの
  2. いもの

そうっ、このことと「細長比」と言う言葉をくっつけておくとわかりやすい…いやいやっ、想像したらわかるって(苦笑)…これは失礼しましたっ。

そして有効細長比とは?

定義付けは「細長比の各主軸周りのうち最大のもの」と定義付けられています。

部材の曲がりやすい方向ってありますよね。座屈で言う弱軸とか。長方形の消しゴムだって上下を指で挟んで押すと、きっと想像している方向に曲がりますよね。

要は、X軸回りの軸とY軸回りの軸との細長比を比べて最大のもの(=座屈しやすいもの)が、有効細長比です。

そして、最後に変形能力とは?

これも消しゴムを想像してくださいっ!

消しゴムを上下を指で挟み、押すと座屈しやすいものと座屈しにくいもののどちらがポキっと折れますか?

もちろん座屈しやすいものの方が折れやすいですよね。

イメージとしては、

ボキッと折れる消しゴム…変形能力が低い
グニャ~っとなってから最後にポキッと折れる消しゴム…変形能力が高い

っとなります。

冒頭の問題文を簡単に言い換えると…。

有効細長比λが小さい消しゴムは…。

有効細長比λが中程度の消しゴム

に比べてグニャ~っとなってから最後にポキッと折れる消しゴムである。

となります♪

…がっ、あえて消しゴムで表現しているのですが、「変形能力」を自分で書いてて「もひとつやなぁ~っ」っと感じているので、もう少し詳しく説明を書いた方がいいと思いますので、次の記事で書いてみますね。

まとめ

細長比と有効細長比は似ているんですが、ちょっとだけですが違いましたね。

建築基準法施工令第65条には鉄骨の有効細長比が定められています。

そして木造は施工令43条第6項にて定められています。

あえて、数字はここでは書かないので、法令集でチェックして覚えておいてくださいね。

サク

二級建築士試験では、木造の柱の有効細長比が出題されていますよぉ~♪