建築士試験の勉強法

変形性能をなるべくわかりやすく説明してみた

前回の記事の続きとなります

前回の記事では「有効細長比」関連の記事を書いたのですが、その中で避けることのできない「変形性能」についても書こうとしたのですが、あまりにも前の記事に書くとややこしくなりそうだったので、別記事にしてみようと思って今回書いてみました。

わかりやすくとは思っているので頑張ってかいてみます!

ですので、よろしければ前の記事から読んでいただけるとありがたいです♪

有効細長比と細長比って微妙に違うんだよねぇ~。一級建築士試験受験の方からこんな質問がありました ※質問は、顔見知りな人だけ答えてます…っと言うか一緒に考えているので、会話をしながら...

覚えておく要点

まずは二級建築士試験平成22年度からの出題です。

A点からE点のうち「上降伏点」はどれでしょうという問題です。

「答えは、C点ですっ!」

それ以外の点の名前も覚えておきましょうね。

  • A点:比例限度
  • B点:弾性限度
  • C点:上降伏点
  • D点:下降伏点
  • E点:最大長さ

そして、最後の×と書いているのが破断点です。

弾性範囲と塑性範囲とは?

弾性範囲と塑性範囲との境界線を入れてみましょう!

ここですっ!

さっきの図に書き足しました♪

この弾性限度が言葉通りの弾性範囲と塑性範囲の境界ポイントなんですね。

そしてこのA点までの直線の傾きが…。

A点(比例限度)までの傾きが…。

これがあの有名な!?「ヤング係数」です。

よく座屈の問題文の中に「ただし、全て柱の材質及び断面形状は同じものとする。」と書いてありますよね。

この「材質が同じ」と言うのは「ヤング係数E」が同じという事で、計算する時にEが共通項で消すことができるという事です。

ヤング係数を語り出したらまた遠い方向に向かっていきそうなんでこのくらいにしておきます(笑)。

そうだっ!ひずみ度曲線をバネに例えて変形性能を考えてみよう!

すみませんっ!前回の記事で「消しゴム」をイメージしましょう!と書いてたのですが、今からの説明に登場してもらうのは「バネ」です。

何が言いたいかというと…。

変形性能と言うのは、このふたつのバネのように同じ柔軟性を持ってても、弾性範囲の高い太いバネ(右)の方が強そうのなので、右のバネの方が変形性能が高いと言える訳です。

イメージは、バネを伸ばしてもまだちゃんと元に戻ることが「弾性範囲」。そこからビヨーンって伸びて最後はプチっと切れてしまう一連の流れ、これが、「ひずみ度曲線」です。

…擬音語ばかりですみませんっ。

何となくイメージはわかってもらえましたでしょうか(ドキドキ)。

そして、ふたつを引っ張ると想像してみてください。

引っ張っても「ちゃんと元に戻る範囲=弾性範囲」が広いのは、バネが太いほうだと想像できますでしょうか?

変形能力と言うのは、このふたつのバネのように同じ柔軟性を持っていたとしても、弾性範囲の高い太いバネ(右)の方が強そうのなので、右のバネの方が変形能力が高いという訳です。

サク

変形性能というのは、ついつい柔軟性だけで考えてしまいがちだけど、強度も関係しますと言うのがポイントかな♪。

今度は、変形性能はアスリート選手で考えてみましょうか?

お相撲さんなんかは、パワー系のイメージがあるのですが、股割りとかもしているので、柔軟性も大切なんだと思います。

お相撲さんをイメージして無理やりひずみ度曲線に当てはめると…。

注※あくまでもただのイメージです。本当はお相撲さんだったらもっとパワー部分が大きくないといけないとは思っています(笑)。

まとめ

前回の記事にも書いたのですが、「比」とか「係数」という言葉は、小さいほどたいていのものは、「良いことがある」これに尽きると思います。

有効細長比と細長比って微妙に違うんだよねぇ~。一級建築士試験受験の方からこんな質問がありました ※質問は、顔見知りな人だけ答えてます…っと言うか一緒に考えているので、会話をしながら...

一度、その法則を頭に入れてから理屈を繋げていく勉強もありだと思っています。

例えば、鉄骨造りで出題される「板要素の幅厚比を大きくすると局部座屈が生じやすくなる」とかも何となく法則で使えますもんね。

あっ!!!

「鋼材のヤング係数は、引張り強さに関係なく一定である」これは、例外のひとつですね。

こうやって例外を探して覚えていく方が、頭の負担を軽くするのでぜひご活用してみてください。