建築士試験の勉強法

エレベーターの強度を検証する方法

建築基準法ではどこで定められているか?

建築基準法をパラパラとめくっていくと、「エレベーター強度検証法」と言う言葉が出てくるのは、施工令第129条の4第1項第二号に出てくるんです。

ちょっと二号を記載してみますね。

かごを主索で吊るエレベーター、油圧エレベーターその他国土交通大臣が定めるエレベーターにあっては、設置時及び使用時のかご及び主要な支持部分の構造が、通常の使用状態における摩損及び疲労破壊を考慮したエレベータ強度検証法により、全号イ及びロに掲げる基準に適合するものであることについて確かめられたものである。

サクラ
ねえねえ、”主索”って”しゅさく”って読んでもいいの?
サク
うんっ、その読み方で合ってるよ。”索”は”ロープ”と言う意味だから、メインワイヤーロープくらいでイメージしてたらいいよ。

それから、「エレベーター強度検証法」の定義自体は、第2項に記載されています。

通常は、最初の言葉が出てくる時に定義が定められているのですが、今回は後ろに記載されています。

「…あっ!…、申し遅れましたが「エレベーター強度検証法」と申します」って感じですかね(笑)。

改めて「エレベーター強度検証法」とは?

建築基準法施行令第129条の4第2項に書いてある方法のことです。

「エレベーター強度検証法」とは、次に定めるところにより、エレベーターの設置時及び使用時のかご及び主要な支持部分の強度を検証する方法をいう。

第一号から第四号での仕様規定で構成されています。

仕様規定について

第1号

次条に規定する荷重によって主要な支持部分並びにかごの床版及び枠(以下この条において「主要な支持部分等」という。)に生ずる力を計算すること。

サクラ
次条に規定する荷重って?
サク
次条だから第129条の5のことで、固定荷重と積載荷重のことだよ。

第二号

全号の主要な支持部分等の断面に生ずる常時及び安全装置の作動時の各応力度を次の表に掲げる式によって計算すること。

 

荷重について想定する状態
常時 G1+α(G2+P)
安全装置の作動時 G1+α2(G2+P)

この第二号が今まで、一級建築士の試験では出てきたんで、この式をもう少し分解していきます。

G1

固定荷重のうち昇降する部分以外の部分に係るものによって生ずる力

G2

固定荷重のうち昇降する部分に係るものによって生ずる力

積載荷重によって生ずる力

α

通常の昇降時に昇降する部分に生ずる加速度を考慮して国土交通大臣が定める数値

α

安全装置が作動した場合に昇降する部分に生ずる加速度を考慮して国土交通大臣が定める数値

第三号

第二号で計算した各応力度が、材料の破壊強度/安全率を超えないことを確かめる。

第四号

第二号で計算した各応力度が、ロープ等の破壊強度/限界安全率を超えないことを確かめる。

最後の第三号と第四号は簡単に書いてみました。

では、実際に問題を解いてみましょう

一級建築士試験では、平成20年度と平成26年度で全く同じ問題が出ていました。

エレベータ強度検証法による主要な支持部分等の断面に生ずる常時の応力度は、昇降する部分以外の部分の固定荷重、昇降する部分の固定荷重及びかごの積載荷重を合計した数値により計算する。

サクラ
あぁ~!、わかったぁ~!α1の加速度がないっ!
サク
うんっ、正解っ!設問の式だと、G1+G2+Pだもんねっ。

まとめ

平成23年3月に発生した東日本大震災において、エレベーターの釣合おもりやエスカレーターが落下する事故があり、平成25年に法改正されています。

建築基準法施行令第129条の4第3項の第五号~第七号まで、目を通しておくといいかもです。

参考までに、第五号に書いている「釣合おもり」を書いてみました↓。