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二級建築士でもよく出題されます
「0.2」やら「0.3」など、ちょ~っとした数字の微妙なところの数字の出題が構造ではされます。もちろん一級建築士でもよく出るのですが、出来ればまとめて覚えた方が楽ですよね。
てな事で今回は、そんな小さい数字ですがよく出てくる小数点関係をまとめてみましょう。
覚えておく要点
まずは、建築基準法施工令88条には何が書いていました?
「構造」の科目ですが、少し法規に触れてみましょう。建築基準法施工令88条第1項には、こう定められています。
建築物の地上部分に作用する地震力Qiは、固定荷重と積載荷重の和
式にするとこう表わすことができますね。
その公式の中の地震層せん断力係数を分解すると…。
地震層せん断力係数とは?
そして、この式の中にある「地震層せん断力係数」は4つの要素に分かれてきます。
- Z:地震地域係数
- Rt:振動特性係数
- Ai:高さ方向の分布係数
- Co:標準せん断力係数
そもそも、せん断力とはどんな力?
そうだなぁ~、例えばで言うと、ストローをハサミで切ったイメージを持ってみましょうか?ストローを柱に例えて縦に置いて横からハサミで切ろうとします。
「チョキン!」…あっ!と言う間に切れちゃいましたね。
この時のハサミが「せん断力」の地震力でチョキンと切れたのが「せん断破壊」なんです。一瞬で切れたので、これが実際に柱だったら地震が来たらすごく危険な破壊となりますよね。
構造の用語で言うと、もろい破壊の事を「脆性(ぜいせい)破壊」と言います。
ここですっ!ここっ!…この部分の名称は何かは知らないですが(笑)。
ウニョウニョして、よほどどうにかしないと壊れないですよね。これが「粘り強さ」なんです。
仮にウニョウニョしていないまっすぐな部分を曲げて折ろうとしても、ハサミの「チョキン!」のように、あっと言う間ではないですよね。これが「曲げ破壊」です。
構造の用語で言うと、粘りのある破壊の事を「靭性(じんせい)破壊」と言います。
つまり、地震が来て建物から逃げようとする時間稼ぎをするならば、「靭性破壊」する前に危険な「脆性破壊」がしないように構造計画をしようっということなんです。
で、さっきから言っているストローの「ウニョウニョ」した部分、これが柱で言うと「帯筋」がその役目をしています。
標準せん断力係数とは?
建築基準法第88条第2項で定められていますよ。
基本(一次設計:許容応力度設計)は?
地盤が著しく軟弱な区域内の木造の値は?
必要保有水平耐力を計算する場合は?
一次設計の標準せん断力係数の0.2から考えると…。
二級建築士平成27年度からの出題です。
床スラブ各方向の全幅について、コンクリート全断面積に対する鉄筋全断面積の割合は、0.2%とする。
二級建築士平成20年度からの出題です。
梁のあばら筋比を、0.2%とした。
二級建築士平成23年度からの出題です。
梁のせん断補強筋比を、0.2%とした。
耐震壁の壁板のせん断補強筋比は?
二級建築士平成22年度からの出題です。
耐震壁の壁板のせん断補強筋比を、縦筋と横筋のそれぞれについて0.2%とした。
ついでに言うと、縦筋と横筋のどちらかではなく「それぞれ」だからね♪
耐震壁の開口に近接する柱のせん断補強筋比は?
二級建築士平成28年度からの出題です。
耐震壁の開口に近接する柱(開口端から柱端までの距離が300mm未満)のせん断補強筋比は、原則として、0.4%以上とする。
まとめ
もう一度、数字の小さい順に並べてみます。(単位の%は省略)
基本:0.2
帯筋・あばら筋比:0.2
耐震壁の壁板:0.25
軟弱地盤の木造:0.3
耐震壁の開口に近接する柱:0.4
必要保有水平耐力:1.0
おまけ
ちなみによく問題に出てくる0.8%は・・・柱のコンクリート全断面積に対する主筋全断面積の割合のことです。