法規

一級建築士の方もぜひ読んでくださいね

既存不適格

二級建築士試験受験の方からこんな質問がありました

※質問は、顔見知りな人だけ答えてます…っと言うか一緒に考えているので、会話をしながら「あーだこーだ」言える人のみとなりますので、よほどでない限り、ご対応が難しいのでサイトでのお問い合わせによるご質問はご了承くださいませ。

記事の中での「ここ間違ってるのでは?」みたいなお問い合わせは、大歓迎ですっ♪。

質問内容は?

実際に出た問題からの質問です。

二級建築士平成28年度からの出題ですが、この問題はぜひ一級建築士受験の方もやってみてくださいね。

建築基準法第3条第2項の規定により建築基準法令の規定の適用を受けない建築物について政令で定める範囲内において移転をする場合においては、同条第3項第三号及び第四号の規定にかかわらず、建築基準法令の規定は適用しない。

正解は、またのちほど書きますね。

覚えておく要点

法3条第2項と言えば法86の7

法令集で法3条第2項のところを見れば、関連で書いていません?「既存不適格の制限緩和」として関連条文「法86条の7」と。

逆に法86条の7の条文の頭(第1項)を見てください。

第3条第2項…うんたらかんたら」っと書いてますよね?

SAKURA
サクラ

既存不適格ってなんなんだろう~?。

既存不適格建築物って何?

ちょうど!?、「既存不適格建築物さん」がおられたので、自己紹介をしてもらいましょう(笑)。

既存不適格建築物さん

「わしゃ、昭和56年1月に建てられた住宅じゃよ。あの頃は現役バリバリで若かったんだけど、時代の流れと共に、着ている服が時代遅れだのなんだと言われて、今の建築基準法に合わせてみると全然合ってないっと言われる始末じゃ。

知らない人からしたら、もしかして違反建築物さん?っとかって聞かれるけど、わしゃあの頃は何ひとつ建築基準法に違反しとらんっ!。まったく失礼なやつじゃ。

建てたあの頃の建築基準法では全く問題なくても、今の建築基準法に照らし合わせると合ってこない、そんなわしみたいな建物を既存不適格建築物というんじゃ。」

何となくわかりました?そんな感じです(笑)。

既存不適格建築物が困るのはこんな時です。

もう一回出てきてもらいましょうか(笑)。

既存不適格建築物さん

「昭和56年1月に建ったのに、半年もしないうちに大きく耐震基準の改正があったんじゃ。通称、”新耐震基準”。そうなるとわしの構造体はたちまち”旧耐震基準”と呼ばれるようになったんじゃ。

まぁ、それも仕方ないかとは思っていたんじゃが、困ったことに増築しようっと思ったら…。

「既存不適格建築物さんにくっつけて増築する場合は全てを今の建築基準法を満足するようにしてくださいね」って軽く言われたんじゃ。

冗談じゃないっ!わしの骨から何から今の基準に合わせろって言ったら、もう建て替えた方が早いわって言われるくらいコストがかかってしまうじゃろ。

…わし、まだまだ元気なのに…(泣)」

そうなんですよねぇ~。簡単に言われても出来ることと出来ないことがありますもんね。

そういう事で登場しました制限緩和っ!

あまりにもこれでは既存不適格建築物さんが可哀そうです。

という事で、救世主となって現われたのが「法86条の7」です。

そこから詳しくは「令137条の2~16」までずぅ~っとずっ~っと、可哀そうやからこんな場合はいいよ♪とかの制限緩和が定められています。

この部分の内容全部を書きだすと、長編大作記事になってしまうので割愛させていただきます。

今回は、法86条の7第4項に注目っ!

はいっ!この条文「法86条の7第4項」に注目してください!

(参考までにオレンジ色の法令集だったらP147です。)

今回の質問の問題とそっくりそのままの条文がここに記載されています。

言葉探しとして解答するならこの時点で答えが出ますよね。

正解はマル

けれどもせっかくなので、まだ続きを解説していきます。

令137条の16とは?

質問内容の問題にも書いてある「政令で定める範囲内」とはなんだろう?っという事で、たどってみましょう。

令137条の16です。

(参考までにオレンジ色の法令集だったらP374です。)

あっ、まあまあ短い条文でまあまあわかりやすい言葉で書いてますね。

法第86条の7第4項の政令で定める範囲は、次の各号のいずれかに該当することとする。

一 移転が同一敷地内におけるものであること。

二 移転が交通上、安全上、防火上、避難上、衛生上及び市街地の環境の保全上支障がないと特定行政庁が認めるものであること。

既存不適格建築物さん

「わしがちょっと移転するぐらい別にかまへんやんっ!」

っと、言ってしまいたくなるぐらい特に問題がなさそうな移転ですね(笑)。

と、なると法3条第3項第三号及び第四号は?

パッと読んでも???ってなってしまうので、要約するとまた既存不適格建築物さんが困ってしまいそうな内容なんです。

つまりは、既存不適格建築物を法令等の改正後に、増築、改築、移転、大規模の修繕・模様替をする場合、既存部分を含め全てにわたり改正後の法令に適合するように改修しなければならないということです。

今回の問題を要約してみます

めちゃめちゃ簡単に言葉を言い換えるとこんな感じです。

既存不適格建築物についてちょっとした移転であれば(令137条の16)、本来は適合するようにしなさいって言われてる(法3条第3項第三号)にもかかわらず、法令に適用はしないよ。

…って言う事です。

まとめ

二級建築士では珍しい出題の「既存不適格」でしたが、法3条2項と問題文に書いてあれば、「イコール法86条の7」くらいに思っていても過言ではありません。